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♯35 ―spade ページ35









「お、折木さん!本当ですか!?」

話を聞いた千反田の目が輝く。俺は思わず視線をそらした。
比喩表現だが千反田の目が眩しい…。

「湖山さん、事件ですよ!事件!」

「え、あ、そうだな。」


湖山も驚いている。そりゃ驚くか。おしとやかというかいいところのお嬢様が
妙なポイントで興味を持ったのだから…。

「今までのことをまとめましょうか。」

「確か湖山さんが1で摩耶花が5。でホ―タローが2で僕が6。」

「この数字…何かしらね…。」

3人が唸りだす。

「折木、これは日常なのか?」

湖山が不思議そうに俺に聞いてきた。

「千反田がな…。俺も参ってる。」
「これは私も参るな。」

湖山は少し笑みをもらしながら言った。どこか楽しんでるように見えなくもなかった。

「さて、折木。頑張るんだな。」
「酷いな。人任せにもほどがある。」
「生憎と私は頭が丸くないんだ。」

四角だといいたいんだな。それなら俺だって頭は柔らかくない。閃きというか…。

「期待はされたくない。」
「ま、私でよければ力は貸そうと思うしな。」

俺の味方はどうやら湖山だけらしい…。

湖山に妙な恩を感じていると背後から声がした。

「ちょっと、混ぜてくれないかしら?」

声だけで何故か高飛車だー、と叫びたくなるような声だった。声の持ち主とはまた別に何もしゃべらない人までいたので、計2名が不意に現れた。

「何の用だー?勧誘ならお断りしたはずだぞー。」

湖山は話したくないのか分からないが心底適当にそう言った。そんな口調の湖山は初めてだった。
勧誘…ということは陸上部だろう。

「違うわよ。これ、同じじゃないかしら?」

そう言って見せてきたのは紙―――。
俺達のげた箱に入っていた紙だ。

千反田は「おかりします」と丁寧に言って紙を眺める。宝石でも見るかのように…。
そして「これは何の意味があるんでしょうね…」とサイコロの絵柄を見て呟く。
それは俺も思った――なんて言ったらもう手がつけられなくなるだろうから言わないでおこう。

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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