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♯28 ―spade ページ28

「そのまま私は陸上部には帰らなかったんだ。」


湖山は全てふっきれてるかのように言った。


「陸上に戻らないのは…その綾丘の言葉があったからじゃないのか?」

「あぁ、あの言葉か。
 あの言葉は正直ぐっ、と来た。いい意味じゃなくてだ。
 そんな風に思われてるのかと気が沈んだもんだ。」


いつも通りに湖山は言う。


「詳しい理由はわからねぇよ、私にも。
 ただ、トラックに帰りたくないんだ。」


俺は窓の外に目を向けた。
雨は降っていない。


「さて、帰るか。」

「だな」


湖山が部室を出た。
俺もそれに続いて出た。


階段を下りてる最中に
「あ、ホ―タローに湖山さんじゃないか。」

里志にあった。

「もう帰るのかい?」
「あぁ。」

そういえば…千反田を置き去りにしたしまっていたんだっけか?


じゃ僕も、と里志はせっかく登ってきた階段を下り始めた。


その途中で急に


「今日、一戦どうだい?」

と、里志は言った。

一戦と言うのは俺達が中学生のころにハマったゲーセンのゲームのことだろう。

千反田はそこに行く前に方面が違うので別れてしまう。


「湖山、お前も来るか?」


俺がさりげなく聞くと湖山は


「どこに?」と当然の反応を見せてくれた。

「ゲーセンだよ。」と小声で教えてやると

湖山は少し驚いた後


「行くに決まってんだろ。」


と、嬉しそうに言った。

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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