【氷菓】季節外れの新入部員 (ページ27)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:41,969 hit

♯２７　―star ページ27

未朝が私に文句を言った翌日。

担任が入ってきた。

そして重々しく言った。

「隣のクラスの綾丘未朝さんがお亡くなりになられました。」

…。

……。

ざわざわとうるさくなる教室。

いじめが原因なんじゃない？とうるさくなる教室。
なんだ、いじめって…。私は知らないぞ？

・

・

・

・

・

・

未朝がしんだ…。

これは鵜呑みにできるようなものじゃない。

でも、いつも私の近くに居た明るくてどこか気の抜けた未朝が…いない。

どこに居ても「空間移動したのアンタ！」ってぐらい私の近くに居てくれた未朝は部活にもいない。教室にもいない。

教室には…未朝の机の上にポツン、と置かれた可憐な花が置いてあるだけだった。

それでも

信じられなくて認めたくなくて気がつけば私は…力を入れていた部活にさえ足を運んでいなかった。

中途半端な気持ちで部活に出たくないっていうのは後から決めたでっちあげた感情で
本当は未朝がいないっていう現実から目をそむけたかったんだ。

・

・

未朝の机の上に飾られた花がしおれ始めたころ
私はやっと理解した。
未朝がいない現実と言うのを…。

流れた時は２週間弱。

私はその期間部活に足を運ばなかった。
そして、幽霊部員となっていった。