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♯17 ―spade ページ17





翌日、
俺が登校して教室に入ろうとした時のことだった。


「ねぇ、陸上部入りなさいよ。」


入り口で湖山が責められているというか勧誘されていた。
湖山はめんどくさそうに髪を耳にかけた。
「聞いてるの?」とおそらく上級生だと思われる陸上部員が睨む。
全く、朝から勧誘とは元気があって素晴らしいことだ。
俺はゴメンだが…。

仕方ないから後ろの扉から中に入ろうとした。
が、俺はそれを止められた。


「ひどいな、ホ―タローは。あの勧誘止めてあげてもいいんじゃない?」

そこに里志がいたからだ。
「なら里志が止めろ。」と俺は返答する。
その間にも
「はいる気ないの?」
という勧誘は続く。

「僕はクラスメイトじゃないからね。」
「同じ部活仲間だろうに。」

「だからこうして来たんじゃないか。」


止めに来たというより見物に来たという感じだが…。


「はいらねぇよ。お前らが何度来ようが私ははいらねぇ。」


怒りを見せる様子もなく湖山は宣言した。
相手はまぁ、そう簡単に引き下がるわけない。

「理由を言って行きなさいよ!」
「それをあんたに行って私にメリットがある?」


「湖山さん、怖いね。」
里志が呟いた。
「それほど陸上に戻る気はないってことだろ。」
「だね。」


気がつけばその騒動を見ていたのは俺達だけではなく
教室内に居た全員と他のクラスの連中までもが見る騒ぎとなっていた。


「何々、陸上部の勧誘?」「湖山さん、足速いもんね。」
「でもあれはやりすぎじゃない?」「それだけ才能があるってことでしょ?」
「なら、入ればいいじゃん。陸上部に。」「でも拒否ってない?」


「聞きなさい。他の人もあんたの実力を認めてるの。入ったっていいじゃない。」
「他人が認めたら私は入らなきゃいけないわけ?冗談じゃねぇよ。
 私は人の為には走らない。」

これは…何かあるな…。
いや、勘でしかないんだが…。

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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