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♯13 −spade ページ13

「あ、思いだした。
 星蘭美祢架さんだよ。同級生の。」


…同級生じゃなかったら同じ時間に合同で体育なんかやらんだろうに。
しかし、名前を聞いたことがないな。

「長距離走が得意な人だったかな?陸上部だよ。」
「湖山は短距離じゃなかったか?」
「そうだね。湖山さんは短距離派だよ。でもそれは自己主張さ。
 自分が苦手でも他の人より成績が良かったら…無駄なんだよ。」

分かるかい、ホ―タロー?と里志が言った。
俺はアスリートでもないしそういう面倒なことには首を突っ込まない性分だ。
分かるわけがないだろう。と同時に、お前が一番分かってるだろうに。俺が分かるわけないだろ。


「ってことは、湖山は長距離もできるのか?」
「サッカー部ってさ、足速いじゃん?短距離も長距離も。」
「同じにしていいのか?」
「いいんじゃないかな。陸上競技は湖山さんの得意分野には違いないよ。」

ごもっともだ。


と、一つの結論が出た直後だった。
ピー、という笛の音が聞こえたのは…。

「スタートだね。」と里志が言う。
里志の言うとおりその笛の音は女子の長距離走のスタートの合図だった。


その笛の音と同時に湖山が前に出た。
集団の前に出た。
断トツのトップだ。

里志が「さすがだね。」と呟いた。
俺は「あぁ」と頷いた。それ以外の言葉は出てこなかった。


湖山は陸上競技の選手としての才能がある。


俺は湖山の長距離走を見て里志に同意した。


「何故…陸上をやめたんだ?」


「珍しいね、ホ―タローが興味を持ってくれるなんてさ。千反田さんの影響かい?」
「なんでそうなる。
 ただ…凡人から見て不思議に思うだろ。
 才能があるのに発揮しない。あれは紛れもない『才能の持ち腐れ』だ。」
「本当に才能かな?才能の裏には努力が眠ってるんだよ、ホ―タロー。」
「…。」

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(プロフ) - ちゃめさん» 『ちゃめ』さん、コメント&応援ありがとうございます☆ (2012年9月2日 19時) (レス) id: ea0f0213a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュウ | 作成日時:2012年9月2日 1時

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