黒鍵の曲譜 (ページ48)

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その日はやってきた

組織はざわざわしていた

相当大きな情報をハッキングするつもりなんだ

ベルモット「はーい、ドレス着て
化粧してあげるから」

ベルモットも最後かな

ベルモット「何馬鹿なことやってるのよ」

小声呟いた

A「私、今日が最後だから今までありがとう
ベルモット」

最後には大いなる親愛を込めてベルモットと呟いた

車に乗せられる

コンサート会場には人がたくさん入ってくるだろう

コンサートホールスタッフ「Aさん、今日はよろしくお願いします。
そちらの方々は？」

後ろには組織の人間がいる

A「取材の人なの
これから写真のための機材とか色々入るけど気にしないでね」

ジン「あとは、てめーは舞台で音を出しとけ
最後の曲弾いた時、コルンかキャンティーがお前の頭めがけて引き金を引く」

A「そう、そんな派手にやって大丈夫なの？
私の脳みそがステージぶちまかれるわよ」

ジン「最後だからだぜ」

このコンサートホールは父が最後に立った場所だ

ならこのステージで死ねるのは本望かも

コンサートは始まった

楽しいはずの曲まで悲しく弾いてしまう

零

零は昨日帰らなかった私を心配してるかな

でもコンサートで私が弾いてるって知れば無事だってわかって安心してるか

まあ、処刑台にいるようなもんだけど

最後の曲は月の光

零は私にとって光だったよ

大好き

愛してる

私のこと早く忘れて幸せになって

零

最後の音が鳴った

割れんばかりの拍手が起こる

向こうで何かが光った

あぁ、銃口ね

パンっと乾いた音が聞こえる

ん、聞こえない

光の方を見るとたくさんの人が動いてるのが見える

私はすぐに深く礼をするとステージからバックステージへと下がった

コンサートホールスタッフ「Aさん、大変です。
警察の人がたくさんきてます
なんかあの取材班の人たち悪い人たちだったみたいです」

A「あぁ、そうなの？」

気が抜けそうになる

何が起きてるの？

頭を抱えて考えていると

前から

零「九条Aさんですね
あなたの安全を守りにきました」

零がいる

一目なんか気にしない

泣きながら零の元へ駆け寄る

零「怖かっただろ
一人でやろうとするから
君が一人でなんとかしようとしたって僕が介入するさ」

零はカッコいい

私の王子様だ