33話 ページ33
ごとりと転がってきたものは、頭だった。
俺は小さな悲鳴を上げる。
その目は、大きく見開かれており、俺を恨めしそうに見ていた。
その目から視線が外せない。
助けて――
助けて――――
助けて――――――
助けて―――――――――
幻聴が俺の耳を支配する。
もう動かなくなったそれが、口を動かしそう俺に伝えているように感じる。
全身から冷や汗が流れ始める。
視線を少し上にすると、未だにそこでは人間が貪られていて、俺には気づいていないのか、それともどうでもいいのか、何の反応も示さない。
もう一度視線を顔に戻すと
「なんで、助けてくれないんだ…A…」
首だけになった炭治郎が、俺を睨みつけていた。
鼓動が早まる
酷い耳鳴り
体温の上昇
刀を抜く
無意識に走り出し飛翔
水の呼吸… 弐ノ型・改 横水車
まず一匹。
空中で軌道を変え首を刎ねる
勢いを殺さず足で木の幹をとらえそのまま鬼共に飛び掛かる
壱ノ型 …水面切り
正面に立っている鬼の首を刎ねる
しかし鬼も黙ってはいない。
同時に三匹の鬼が正面から襲い掛かる。
攻撃を回避、斜面を走り出す。
「逃げんなコラァ!!」
横並びに追いかけてくるのを待ち、念願叶い踵を返す
肆ノ型 …打ち潮
二匹、首が飛ぶ。
その後は覚えていない、気付けば鬼が灰となり消滅するのを放心状態で眺めていた。
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作者名:矢月 | 作成日時:2020年2月15日 13時