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46話 ページ46

足の痛みでなかなか体制が治せないまま、鬼からは技が繰り出される。

地面から突き出す土は走る俺の後を追いかけるように出続ける。

「さっき人は喰い物じゃないって言ったよね」

鬼は技を続けながら話始めた。

「人間が食べる、鳥の肉だって、魚の肉だって、本当は喰い物じゃないじゃない」

え?

突然放たれた言葉に、足がもつれた。

「―――――ッ!!」

もたついた途端、左腕に痛みが走る。

どうやら突き挙げられた土に触れてしまったようだ。

その場所から指先を伝い、ぽたぽたと滴る感覚がある。

少し触れただけでこんなに血が出るなんて。

隊服は中級までの鬼の牙や爪を通さないと言っていたのに…。

直撃したら確実に死ぬ。

「あれ?動揺しちゃったの?ちゃんと逃げてよ、もっと踊っているところが見たいんだから!」

何とかしないと…

何とかしないと…!!

「あたし達とあんた達は食べるものが違うだけ、でも同じなのは生きているものを喰ってるってこと、命を喰らってるって事!何が違うの?同じじゃない!あんた達だって命を喰ってるんだよ!!」

何も考えるな

「何とか言ってみなさいよ!」

何も感じるな

「あたしとあんた何が違うのか言ってごらんなさいよ!!」

足の筋肉に極限まで力をためる。

―――水の呼吸 肆ノ型 打ち潮

前へ飛び、刹那に身を翻し追ってくる土を切り捨てる。

「――ッ?!」

鬼はその行動に驚いたのか、技が止まった。

間髪入れずに俺は鬼に向かって走り出す。

「確かに俺は肉も魚も喰っている!!理不尽だと言われればその通りだ!!
命を喰らうことはお前たちと何一つ変わりはない!!」

―――水の呼吸 壱ノ型 水面切り

未だ動かない鬼の首を狙い刀を振り払う。

その刃は確実に首を捉え、刃先が首にめり込んでいく。

鬼はその痛みで我に返ったように目を丸くする。

「ふざけるな!!開き直るんじゃない!!」

鬼は顔を歪め、耳をつんざくような金切り声をあげる。


――― 鬼血術・突天槍 ―――


地面が裂け、黒い土が突き出してくる。

今ここから退けば、また鬼ごっこが始まってしまう。

でもこのままだと自分が串刺しにされる。

そして次にまたこんな好機が来るかもわからない。

足の怪我が思ったよりもひどいようで、膝が震えだしている。

足や腕、肩に切っ先が当たる寸前。

俺はある言葉を思い出した。

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作者名:矢月 | 作成日時:2020年2月15日 13時

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