【降谷零】私と貴方の危うい関係 (ページ38)

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誤解2 ページ38

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二人をしばらく見つめ、踵を返して駅へと向かおうとした時、彼に名前を呼ばれた。一瞬反応してしまうが、無視をして早足になる。

慌てて名前を呼ばれ、手首を掴まれるが思わず振りほどいてしまった。

『離して！』

「え、どういう…」

『もういい、男は特定の人を作らないってよくわかった。降谷さんなら信じても良いかもって思った私が馬鹿だった…』

「ちょっと待って。何の事か詳しく説明して」

『とぼける気ですか？人前で抱き合ったり、キスしたりしてたじゃない！！』

「え…彼女はそう言うんじゃ『言い訳なんて聞きたくない！』」

「ちょっと落ち着いて」

自分が先程の事を問い詰めたら言い訳のような言葉が帰ってきた。祐介と同じような言い訳の仕方に腹が立って思わず大きな声を出してしまう。すると、自分の腕を掴まれたと思ったら彼の胸に抱かれてしまった。

離れようにも力強く抱きしめられているため離れられなくなってしまった。

『離してください！』

「離さない」

『……っ何で……、離してよ…っく…、っ』

「ごめん、でも、本当に誤解なんだ。彼女とは、中西さんが思うような関係じゃない」

「じゃあ…『叔母だよ』」

《叔母》という言葉を聞いて驚いてしまった。とてもきれいな人で、20代にしか見えなかった。その言葉に衝撃を受けて何も言えない。

「彼女はシャロンって言って、僕の母の妹。両親が他界してから親代わりで育ててくれた人なんだ。抱きしめたり、キスされたのは挨拶のつもりで…。でも、ごめん、嫌な思いをさせた」

自分は大きな勘違いをしてしまったようだ。叔母のことを、恋人と思ってしまった。また恥ずかしさに襲われて、穴があったら入りたい気持ちから抱きしめられている体を動かす。

『っ…もう帰ります…』

「え、なんで」

『一人で勘違いして、勝手に泣いて、降谷さんに迷惑かけた…ごめんなさい…だから離して』

「今日返事を聞かせてくれるんだろう」

『また今度で…』

「今聞かせて」

『…………』

今さっきの事もあり、返事をするのを渋った。しかし、彼は自分を離すつもりはないようで抱き締める力も強くなり、諦めたように返事をした。