一触即発2 ページ34
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-降谷零 side-
「だから、たった今告白した。まだ返事は貰えてないが、もし付き合えたら俺は彼女に添い遂げるつもりだ」
「そんなの許されないだろ!」
「なぜ許されないんだ?もう君と中西さんは正式に離婚したんだろう?」
「離婚前に知り合ってるなんて、おかしい!倭の事を誑かしておいて」
祐介は、自分の言葉に対して必死に言い返そうとしていたが、最後の言葉には呆れてものが言えない。思わず溜め息をつきながら祐介から倭に視線を向けた。
「君に彼女の幸せを奪う権利はない。……それでも、どちらに来るのか、それとも来ないか、決めるのは彼女だ」
「………」
『………』
「中西さんすみません、勝手にこんな話をしてしまって…。出来れば僕をみてもらいたい。でも、中西さんが彼といることが幸せと感じるなら、僕は大人しく身を引きます。返事はいつでもいいです。それでは…」
正直最後はあのまま終わりたかった。それなのに倭の旦那だった祐介が現れ、二人のやり取りを見る中で苛立ちから少し取り乱してしまった事を後悔していた。軽く溜め息をつきながら車に乗り込む。すると、倭が助手席側の窓を軽くノックしてきたので窓を開けてあげた。
『降谷さん』
「どうしました?」
『今日のお礼を言ってなくて、向日葵畑に連れていってくれてありがとうございました。とっても綺麗でした』
「いえ、中西さんに喜んでもらえてよかった」
『気をつけて…』
「おやすみ」
倭に軽く手を振って車を走らせた。家に向かいながらまた溜め息が出てしまった。
二人は離婚をしているわけだが、祐介は倭に対して未練を感じていたようだった。そして、浮気されてもなお倭は旦那のことを想い信じようとしていたのを思い出していた。浮気で離婚しても復縁している夫婦はいる。
もし、倭も旦那への未練があり復縁したいと思っていたらどうしようかと無意識に不安を抱いていた。
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作者名:ゆきだるま | 作成日時:2018年5月26日 8時