【降谷零】私と貴方の危うい関係 (ページ33)

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一触即発1 ページ33

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-降谷零 side-

倭の実家の近くに車を止めてた。倭が車を降りたと同時に自分も車を降りて、倭に近寄り向き合うように立つと迷いなく自分の想いを伝えた。

しかし、予想はしていたが、気持ちは嬉しいが、と振られてしまった。理由はもう別れたくない事やバツイチであるからと言うことだった。今回の離婚は倭に非があったわけではなく、旦那が浮わついてしまった事が要因であるため、バツイチだからどうと自分には関係ない話だ。

そして《裏切られて別れるのが嫌》という理由。その理由に対しては、今日見てきた向日葵の花言葉を使って自分の想いを改めて伝える。花言葉を使って気持ちを伝えるなど気持ち悪い男と思われるかもしれない、それでも自分の本気の気持ちを倭に伝えたかった。

その時倭が涙を流すのに気づいた。どうやら自分の思いは伝わったようだった。

『───────もう少しだけ時間を下さい』

「もちろん。待ってます」

最初の返事よりも期待が持てる返事に安堵する。

「中西さん。少しだけ…」

『！』

ずっと触れたくて堪らなかった倭を自分の胸に納めて背中と腰に腕を回してきつく抱き締める。正直、抱けることなら今すぐ抱きたいが、我慢だ。倭を抱くのはきちんと恋人関係になったときと決めていた。

暫くして力を緩めて倭を開放する。

「…急に、すみませんでした」

『いえ、…また、連絡しますね。ちゃんお返事します』

「楽しみに待ってます」

名残惜しいが別れようと思ったその時、倭の名前を誰かが呼んだ。

「倭！！！」

『っ、ゆ…祐介…』

「別れて早々に男とこんなところで抱き合ってて…お前も浮気してたんじゃないのか？」

『そんなことない！』

「はは…冗談だよ。なあ倭…離婚が決まったわけだけど、俺さ、浮気して、離婚したこと後悔してるんだ。倭と一緒にいた時が本当に幸せだったんだって。だから…俺と復縁「勝手じゃないか？」」

「え」

「離婚する前、君が帰ってこないのをずっと一人寂しく待っていたんだ。浮気を確信してもなお、浮気はしてないって信じようとしていた。それなのに、離婚して一人になって、彼女との時間が恋しくなったなんて、そんなの自分勝手にも程があるだろう」

「っ…そんなの、部外者のあんたに関係ないだろ」

「関係あるさ。俺は彼女と知り合って好きになった」

倭の旦那が現れ、一触即発状態になってしまった。