1通のメール2 ページ27
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あれから3ヶ月程経ち、漸く離婚する事が決まった。
祐介は繰り返しの謝罪をしてきた。関係を持っていた佐々木百合については、一度だけ関係を持って終わりにするつもりだったが、佐々木百合は関係を切ったら、浮気している事を公にすると脅され、この関係をダラダラと続けていたとのことだった。今そんなことを言われても言い訳にしか聞こえないし、手を出したのは祐介の方だ。自業自得である。
自分は戻るつもりもなく、浮気していた事が有利に働き離婚の目処が経ったわけだ。
今は平日だが休みをとって、最後の手続きをするため妃法律事務所に来ていた。用事を済ませて帰りぎわお世話になった妃弁護士に挨拶をする。
『妃先生、今回は本当にありがとう御座いました』
「いいえ。南波さん…じゃなくて、中西さんよね。次はちゃんと幸せになるのよ。ふふ、例の彼との進展楽しみにしてるわ」
『彼はそういうんじゃ………それに恋愛、結婚とかはもういいかなって思ってるんです』
「まだ若いのに、そんなこと言ったらダメ。臆病にならないで、新しいパートナー見つけるのが一番なんだから、ね?蘭からいろいろ聞くわ」
『……はい、ありがとう御座います。ではまた』
深々と頭を下げて事務所を後にする。
離婚する事が決まったわけだがあまり実感はなくあっさりとしていた。
午後からは役所へ離婚届を提出したり、不動産会社へ行くと新しく住むためのアパートを探すことにした。実家でいつまでも世話になる訳にはいかず早めに決めたかったため、アパートの見学と契約をその日に済ませる。今日の予定を全て終え、帰路に立つが、家に戻る頃はくたくたになっていた。
離婚に伴い会社に提出する書類なども書かなければならなかったが明日以降でいいだろうと思い、自宅に戻ってから夕食、入浴を済ませ一息つく。
寝る前に待っていないかもしれないが、一応お世話になったわけなので、連絡が遅くなった訳、離婚の目処が立ったこと、お礼をしたいから一度会いたい事をメールで送った。送れた事を確認してからその日は眠りについた。
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作者名:ゆきだるま | 作成日時:2018年5月26日 8時