敏腕弁護士 ページ25
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数日後、妃弁護士と会うために妃法律事務所へと赴いた。事務所に入ると秘書と名乗る女性が、応接室へ案内してくれた。
応接室のソファに腰掛けて妃弁護士を待つ。少ししてから一人の美人な女性が応接室へ入ってきた。
「はじめまして、弁護士の妃英理です。蘭から大まかな事情は聞いてますよ」
『はじめまして、南波倭です。お忙しい中時間を取っていただきありがとうございます』
「ふふ、それが私の仕事ですから。どうぞお掛けください。」
『失礼します…』
「今回は離婚についてでしたよね。工藤探偵に浮気調査を依頼して、黒だったらしいですけど…」
『はい…これが調査結果の書類です』
それから離婚についての流れや、慰謝料諸々の話を聞いた。少し難しいところもあったが、わかりやすく説明してくれたため何とか噛み砕く事かできた。一時間程で相談も終わった。
『妃先生、今日はありがとうございました。またよろしくお願いします』
「こちらこそありがとう。あ、最後に釘をさすようだけど、まだ旦那さんと確実に離婚しているわけじゃないから、例の彼との不貞行為は避けてくださいね。此方が有利に立って離婚するためには大切な事なので。まあ、会って食事とかそれくらいなら構わないけれど」
『わかりました。では失礼します』
妃弁護士と相談する中で、他の男性との関係について聞かれたので彼の存在も話しておいた。恋人になるわけでもないが、隠しておくと後々不利になる可能性もあると思い、仕事で出会った彼と食事に行き、彼の家で酔った勢いでキスしたり抱きついたりした事を話した。
すると、《貴女素直ね》と可笑しそうに笑われた。肉体関係がなければ大丈夫とのことだったが、落ち着くまで連絡先しないのが得策だろう。
そう考えながら実家へ帰るため電車に乗り込んだ。
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作者名:ゆきだるま | 作成日時:2018年5月26日 8時