調査報告 ページ24
¯
「お辛いかとは思いますが、これが浮気を決定付ける写真です」
『………』
「相手の女性は、佐々木百合。貴女たち二人が卒業した大学の先輩でした」
『え？』
次の日、探偵事務所へと行き新一に祐介がホテルへ入るところや、路上でキスをしている、浮気を決定付ける証拠写真など見せられその時の状況を聞いた。
そして、相手の女性の名前を聞いてハッとした。その女性は、自分たちの大学の先輩であり、今でも時々食事に行ったりする仲のいい子であった。自分たちが結婚しているのをわかっていながら祐介と関係を持っていた事になる。その衝撃的な事実に言葉を失ってしまった。
調査結果についての説明を受けて、離婚についての話も丁寧にしてくれた。弁護士のことも言われたため、蘭の母親の話をしたら新一が《妃弁護士なら安心だ》とおかしそうに笑った。
有名な人なのだろうかと不思議に思いながらそろそろ行こうと、カバンの中から封筒を取り出した。
『いろいろお世話になりました。これ、依頼料です』
「確かに受け取りました。無いことが一番ですが、また何かあればご相談に乗りますから」
「何かあればお願いします、ありがとう御座います」
話を終えてからきちんとお礼を言った後、依頼料を支払い探偵事務所を後にした。
もうこれ以上気持ちが落ちることはないと思っていたが、旦那の浮気相手にはやはり参ってしまった。旦那と浮気をしていたなどとは知らず、先日も食事に行ったばかりだった。どんな気持ちで自分と食事に行ったのだろうか。
ため息をつきながら、街中で用事を済ませながら夜、実家へと帰宅した。
夜、家に戻り家族三人で夕食を食べた。旦那浮気にあれだけ怒っていた母親だったが、夕食のときに話題にすることはなかった。父親も同様で、笑えない冗談をさり気なく言いその場を和ませようとしていた。
二人なりの優しさなのだろう。
食事を終えたときに蘭から着信が入っていたことに気づき、折り返し電話を入れた。
《電話出られなくてごめんね》
〈いいのいいの、昨日話した件だけど、お母さんが「任せて」だって〉
《本当に？嬉しい、ありがとう》
〈どういたしまして。連絡先LINEで送っておくね。お昼の時間帯ならお母さん直接話ができるみたい〉
《うん、助かります》
要件を済ませたので電話を切りベッドに寝転んだ。
(今日は疲れた、もう寝よう)
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作者名：ゆきだるま | 作成日時：2018年5月26日 8時
