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実家帰省1 ページ22

¯


「南波さん」

『はい?』

「旦那さんとの事が落ち着いてから、…落ち着かなくても辛くなったり、寂しくなったりしたら連絡ください、絶対」

『………』

「これは社交辞令じゃない、本気だ」

『…………ありがとうございます…また、連絡します』

「気をつけて」


玄関に行きスリッパからヒールに履き替えた時に自分の腕を掴み、連絡が欲しいと言われた。嬉しい言葉に正直戸惑ってしまい、彼から視線をそらしたが、彼の言葉と、キリッとした男らしい表情にドキッとして思わず頷き、手を振られながら自宅へと向かった。









電車を乗り継ぎ自宅へ戻る。
鍵を開けて家の中に入れば、玄関に旦那が立っていた。


『ただいま』

「倭!どこ行ってたんだよ!昨日帰ってきたらいないし、電話も繋がらないし」

『…』

「男か?」

『……、どこ行ってようと祐介に関係無いでしょ!男?だったらどうだって言うのよ!?祐介こそどうなのよ、毎週、毎週朝帰りばっかりして』

「それは、仕事だっていってるだろ?」

『呆れた。知り合いの彼氏が探偵しててね、調査依頼してたの。祐介の浮気について。そしたら昨日《旦那さんは浮気してます》って連絡があったよ。どういうこと?』

「え?違う!あれはたまたまで…」

『たまたま?たまたまが毎週続く?半年も?』

「だからそれは…」

『はあ…ごめん。もう一緒にはいられない。離婚しましょう?近いうちに離婚届持ってくるから』


昨日早く帰ってきたのか自分の帰りが遅いことに腹をたてていた。自分だってさんざん朝帰りのくせに、自分勝手すぎると改めて苛立ちを感じながら寝室に行けば鍵をかけて着替えなどをキャリーケースに入れていく。


ドアをノックされるが無視をした。


細かいものは平日休みを取って取りに来るつもりなので、とりあえず必要なものを詰める。左手の薬指の指輪に気づき、外すなりベッドのサイドテーブルに置いてから《待って欲しい》などという祐介の抵抗を受けつつ家を出て行った。


キャリーケースを引っ張りながら、これからやらなければならない事を考えた。離婚手続きは離婚届を出すだけでいいのだろうか、何せ初めてなのでわからない。


調べようと思ったが、明日は探偵事務所に行く予定なのでその時に聞いてみよう。


そう言えば蘭への報告がまだだったのを思い出した。実家に戻ったら連絡すればいいかなと思い実家へと向かった。

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作者名:ゆきだるま | 作成日時:2018年5月26日 8時

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