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「な、なにさ……」



「いや、龍斗くんアイドルなら夏休み中お仕事で忙しくて帰省なんてできないんじゃないのかなーって思って。それに学校だって1日くらい休んだって大丈夫じゃないの?」




純粋に疑問なんですけど、という顔で彼女は俺の嘘を全て指摘してきた。
隠せない。
やっぱり彼女は俺のすべてを、俺の中にある物全部を見つめているようだった。



俺が諦めて白状すると、彼女はそんなの隠さなくてもいいのに、とけらけら笑った。




「だって、呼び出しだよ?恥ずかしいじゃん」



「呼び出されるようなことしたのは龍斗くんじゃん」



「それは、そうだけどさ……」




俺がそう言うと、彼女は「そんなに膨れないで」と言ってまた笑った。



俺、膨れてた?
前に、メンバーから指摘されたこともあるが、俺は知らず知らずのうちに感情を表に出すことがよくあるらしい。
甘えてる、とか、怒ってる、とか。
それも表情だけじゃなく、貧乏ゆすりなんかで表出している、らしい。



子どもっぽい気がして気を付けていたのだが、やっぱりそう簡単にはなくせない。
そういうところに自分の幼さを感じてしまう。
その上、彼女に指摘されてますます恥ずかしくなってきた。



彼女は黙り込んだ俺を見ると、そういうところが龍斗くんの良いところだよ、と言った。
年下だと思ってばかにしてる部分もあるとは思うが――でも悪い気はしなかった。
もしかして、やっぱり俺って変人?もしくはばか?




「じゃあ、次の指導の時は叔母さんたちいないんだね」



「いや、それなんだけど……」




俺が叔母さんたち一家の帰省の話をしたのは「次の土曜は俺以外この家にいないから指導に来なくていい」ということを伝えたかったからなのだ。



もちろん、これは俺の言い出したことじゃない。叔母さんの提案だ。
何も考えていなさそうな叔母さんも、流石に一つ屋根の下に俺と彼女が二人きりはまずいと思ったらしい。



昨日の夕飯の後、叔母さんからは、何かあるとは思ってないけど、何かあったらまずいからねえ、とぴしゃりと言われた。



まさか、俺だって、彼女に好意を抱いているとは言え、いきなり二人きりになって襲おうとなんてこと考えているわけがない。
でも、けれど、そうしない自信が1ミリもないとも言い切れなくて。
叔母さんの提案を聞いた時、俺の中には、残念な気持ちと、安心した気持ちの両方が混在していた。

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作品ジャンル:タレント
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れお(プロフ) - あさん» 初めまして。コメントありがとうございます。例の件に触れているため、あまり読んでもらえないだろうと思っていたのですが、そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。これからもゆっくりですが更新していきますので、よろしくお願いいたします。 (2020年8月28日 0時) (レス) id: 8293f3a179 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。例の件について触れている事で低評価を押されている方がいらっしゃるのかもしれませんが、とても素敵で面白い作品でした。ありがとうございます。 (2020年8月27日 20時) (レス) id: 7cf7088bde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れお | 作成日時:2020年6月18日 15時

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