タチの悪いヴァンパイアに捕まりました【JM】 (ページ19)

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a different world 19 ページ19

うわぁ、お姫様ってこんな部屋で生活してんのかぁ

って呆けていたら突然良い香りがしてそちらに意識を向けたらお兄さんが音もなく居た

普通に心臓止まるかと思ったてか100回は止まった。

「これ、食べれる？」

何故か申し訳無さそうに差し出されたトレーの上に並ぶ幾つもの料理の中にはクリスマスに食べる様な
デカいチキンまで乗ってあって。

肉料理しか勝たんをモットーに生きてる私からしたらご褒美でしか無い

ついでに、元の世界とやらでもお昼はまだだったし、こちらに来てから(多分)丸一日食べていなかった事もあって

刺激の強い香りにお腹が鳴ってしまった

のは良かったけど。

「良かった、食べれそうかな。はい、口開けて」

数々の料理の内からスプーンでポタージュの様なものを掬ったお兄さんはそのまま私の口元へスプーンを寄せた

『……え』

「え？」

何か変？とでも言わんばかりのお兄さんの反応に

私がおかしいのかもしれないと思ってしまう。

いやでもさ、見た目も声も何なら香りも最高のお兄さんにあーんしてもらうって何事？無理過ぎて無理

『自分で食べれるので…』

そう言っても尚差し出されたままで。

お兄さんをちらりと見れば無言で微笑みの圧をかましてくるから羞恥心には知らん顔をして食べた

1口食べればやっぱり、我慢が効かなくて

予想以上の美味しさだった事も含んで気付けば恥ずかしさなんてそっちのけでお兄さんに

『あれください』

『それがいいです』

なんて指図してでもお兄さんは嬉しそうに

分かったとかうん、とかって終始微笑みながら奉仕してくれた。