第7話 ページ8
ジェハ「……どうかしたのかい?」
固まったままでいるあたしを見て、
もしかして気に入らなかった?とジェハ兄は不安げに尋ねてくる。
貴女「…ううん。気にいった。ただー…
嬉しくて」
にこりと、微笑んだ。
ジェハ「っ…」
貴女「? どうかした? ジェハ兄」
ジェハ兄は口元を手で隠しうつむく。
今度はあたしが、どうかしたのかと尋ねる番だった。
ジェハ「いや、なんでもないよ。今日はどこか行くの?」
貴女「……なんであんたにそんなこと言わないと…「桜貝のペンダント」〜あーはいはい」
貴女「ちょいと町に、ね」
するとジェハ兄は眉をぴくっと上げた。
なにを心配しているんだか。
貴女「過保護すぎだ。文句ある?」
ジェハ「ーいや、ないよ。行っておいで」
ー今、ジェハ兄の瞳が翳ったのは、気のせい?
あたしはもう、9年前の弱っちいガキじゃないよ…?
ジェハ「…A、今さ、自分は強いから大丈夫って考えたでしょ」
貴女「ウッ」
ジェハ兄はゆっくり口角を上げて微笑んだ。
ジェハ「僕にとって君はー…いつまでも可愛い妹のままだよ」
そう言って、あたしの頭をぽんぽんと撫でた。
可愛い、妹ー。
そうか。可愛い、妹。
それ以外に、あるはずもないのに。
なら、
あたしはなんで…
悲しい、なんて思っているんだろう。
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ひじり(プロフ) - 設定とか色々好きです!!更新待ってます!!!! (2021年6月14日 1時) (レス) id: a9637b57df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心太 | 作成日時:2018年8月26日 6時