スラムダンクのアイツと…短編集

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＊


呆然の楓。

珍しく表情が顔に出てる。



『え、本気で気付かなかったの？』

リョータ先輩も驚きの表情。


「Aいつもとなんも変わらなかったから。
　…何で言ってくんないの？」



『いやだって…楓のせいじゃないし。
　私が舐められてるのがいけないだけだから。』



はぁー…と大きなため息をついて
俺ちょっとっと言ってどこかに行ってしまった楓。


え、私がいけなかったのかな。

周りに何をされても1日寝れば忘れられるし、屁でもない。


でも楓に嫌われるのは…辛いなぁ。


そう思ったらここ最近我慢してた涙が出そうだった。





ぽんっ



頭をポンポンされてリョータ先輩の存在に気づく。



「あ、リョータ先輩いたんですね。」


『おぉい！！…まぁ、お前は悪くねーよ。
　彼女の異変にも気づかないあいつが悪いだけだから。
　気にすんな。』


「…違います。私が気付かれたくなくて普通にしてたし。
　周りに流されないでぽけーっとしてる楓が
　好きだからいいんです。」


『本当お前は…彩ちゃんも心配してるぞ？
　まぁ、いつか周りも飽きるはずだから。な？』


「ううう…もう慰めないでくださいよー！！」

そう言ってずびずび鼻水を出して泣いてしまった私。

本当悔しい。絶対泣かないって決めてたのにな。








ーーRukawa Sideーー



俺の彼女は隙が多い。


誰にでも気さくで、

男女分け隔てなく仲良くできる。






ドアホウも気づいたらA呼びだし
冗談を言い合う仲。


先輩たちもやたら距離が近くて、
俺にやるのと同じようにあいつに触れる。

一応、あいつ女なんだけど。


自分がこんな感情を抱くとは思わなかった。



そして、アイツ。ドアホウの友だち。
水戸…。

アイツは多分、Aの事を女として見てる。
でも距離が近い。これは俺の勘。

クラスに行けばいつも近くにいるし。



この前牽制してもヘラヘラしてやがったな。

くそ。




何が1番厄介かって、
Aに男との距離が近い自覚がないからだ。




そんなAは
最近よく上履きを履きつぶして
スリッパでいる事が多い。


歩き方下手くそなんかな。

まぁよく転ぶしな。







…なんて馬鹿な事を思ってた自分を殴りてぇ。



新キャプテン(宮城)の話を聞いて
初めてAが嫌がらせをされているのに気付いた。


あまりにもAが普通すぎて気付かなかった。
…いやそうじゃない。俺がAに甘えてたんだ。

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