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『…分かった。』


変わったしまった寿でも、
私の事だけは拒否しなかったこと、
今でもそれだけは良かったって思う。


その後、私たちは初詣に一緒に出かけた。
夜の人の少なくなった時間に行った。


お賽銭を入れてお願いをする。


“寿がまたバスケを始めてくれますよーに
 寿とずっと一緒にいられますよーに”



近くのベンチに座って少しだけ話した。

「寿、何お願いした?」

『教えねー』

「ちぇっ。けーち。」

『お前は?』

「私は…」

バスケをして欲しいって押し付けは
口が裂けても言えない。


「…寿と来年も仲良くできますよーに」

『お前ももの好きだな。』

「そーお?」

『俺、そろそろ、行くわ。
 堀田の家で集まるから。』


「そっか…分かった。」


『…俺は、お前が試合に多く勝てますようにって』

「え?」


『…願い事。』





ほら、やっぱり寿は優しいんだ。



「…願われなくても勝ちまくるよ!
 寿が頑張れのちゅーをしてくれたらっ」



『はぁ?』

そう言って顔が赤くなる寿。

ほらっ。変わらない。
私の好きな寿のまま。


『はい、ちゅーーー』


そう言って唇を突き出し、目を閉じて待つ。



ジャリ…


ジャリの音が静かな神社に響き渡る。


ちゅっ



『…じゃ行くからな。』


そう言って先を歩く寿。

耳まで真っ赤だ。

その日ら家まで送ってくれて
寿は友達の家へと行った。


バスケを辞めても、グレても
寿は寿のままだ。
そう思ったら私は泣きそうになった。











それから寿のママも、私を通して寿の話を聞ける事で
安心してくれたみたいだった。


寿も私の言うことだけは、ぶつぶつ言いながらも
聞いてくれた。




そんなある日だった。













「え!!寿が入院した?!」



あれから1年後の高校の冬。

親を通じて聞いた話に私は絶叫。


自転車を飛ばして病院に向かった。




「寿っ!!!」



ここの所また荒れてるなーとは思ったけど…


病室に入り、近づこうとすると


『来るな!!』


寿に初めて大きな声を出されて身体が固まった。


『お願いだから…
 惨めな気持ちになる。
 放っておいてくれ…』



震えるような声…




こんな声で訴える寿
初めて見た。


私はその場を後にした。





またそれから暫く、寿とは全然会えなくなった。


多分バスケ絡みで何かあったんだと思う。

これは私の長年の勘だった。












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- yuiさん» ミッチー身長184cm高一の時より8cm伸びたそうですよ!何より髪を切ったらあんなにハンサムだなんて💘💘 (2023年4月23日 10時) (レス) @page20 id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 葵さん、ありがとうございます🫶ミッチー良いですよね!1番人間味があると言うか🥺💜身長も実は180超えと言う🥺 (2023年4月22日 23時) (レス) id: c36d1094cb (このIDを非表示/違反報告)
- yuiさん» 私もミッチー推しなんですよ💕💕💕💕カッコイイですよね✨✨しかも声が低くてイケボ💕💕💕💕 (2023年4月11日 22時) (レス) id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - まるさんありがとうございます!慣れないものですみません…! (2023年1月25日 13時) (レス) id: 9a45e8c132 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立っちゃってますよ!外したほうが良いと思います。 (2023年1月8日 22時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yui | 作成日時:2022年12月11日 9時

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