貴方でした4（赤） (ページ3)

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ーすばるSideー

よこが間に入って俺らをなだめる。

分かってんねん。
こんなに腹が立ったのは
図星を言われたからや。

大『ごめん…。責めたいわけちゃうんやけど。』

大倉が謝ってくる。

す『分かってる…。』

そしてそのまま収録へ…。
どんな態度でどうやって仕事したか
なんも覚えてへん。

ただただ時間が過ぎていった。

収録が終わり、挨拶を済ませ楽屋に戻ると、
マネージャーから

『お疲れ様でした。
このあとチーフから少しお話があるので、
少し待っててください。
渋谷さんはチーフとの話が終わったあと、
そのまま自分と事務所行きますので。』

俺はなんも返事をしなかった。

亮『なぁ、ごめんやけど今日は急ぎで帰らせて
くれへん？ちょっと大事な用あんねん。
話なら明日聞くからさ。』

マ『いえ、チーフにみんな残しとくよう
言われたので、すみませんが僕の力じゃ…』

亮『ええー、まじで心配やねん。頼むからさー…』

楽屋の入口付近で亮とマネージャーが
やりとりしているのを横目に、
大倉が普通に帰り支度をしてそっと
楽屋を出ていった。

マ『あぁ！大倉さん帰った？！
　はー！僕が怒られるー！』

マネージャーの叫びが楽屋に響き渡った。

俺は畳のところで横になる。

あいつ、Aんとこ行ったんかな。

俺よりきっと大倉の方がAを
大切にできるのかもしらんな…。

それでも、Aに別れようって
言えない俺は、どこまでもクズやな。

大きなため息をついて、天井を仰ぐ。

ホンマ俺、何やってんやろな。

このままAとどうなるんやろ…。

もう全てがどうでもええわ…

ここで俺の中の何かが切れた。

ーYour Sideー

それから、すばるくんからは

“ごめん”

その一言メールが来ていた。

私は何も返せなかった。

あっという間な月日は流れ、
秋も深くなっていった。

私は前とは変わらない日常に戻った。

仕事も前より前以上に張り切って取り組んだ。

胸下まであった髪はあれ以来
ベリーショートのままだ。

ヤスくんや亮ちゃんとはひとみも
交えて呑んだりしている。

大倉くんはちょくちょく連絡をくれて
時間が合えば、こっちまで来てくれて
神奈川で呑んだりしている。

ただ違うと言えば、すばるくんがいないこと。

私がファンクラブの更新をしなかったこと。

誰も私にすばるくんの話をしないこと。

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