腹黒男とゲス女(緑) (ページ4)

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隣のスタジオページ4

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佐『お！おつかれー。
Aちゃん、モーツァルトの集録
手伝っていいよ。』

「お疲れ様です。え！ホントですか？」

佐『おぉ、熱心なADがいるんですよーって
話をしたらすぐOK出たよ。』

「ありがとうございます！がんばりますっ」

やったー！大倉くんに会えるっ！

収録は3日後。
それまでに少しでも可愛いと
思って貰えるように美容院いっとこ！
あとマツパーもしてー…

心が踊る。

あの日から私に文句を言ってきた子達は
静かになった。

もちろん、また何かあったときには
上司に本気で相談する予定。

ストレスもなくなって調子が良い。

他の子から聞いた話だと、2人で最近揉めたとか。
きっと、私に録音されてたので
どうするどうするって責任の押し付け合いでも
したんだろう。

昔から女子のつるみあいが大嫌い。

『すみません！Aさん！
Bスタジオからこれ借りてきてもらって
いいですか？』

「はい！すぐ行ってきます！」

バタバタしている人をかき分けて
Bスタジオに走る。

Bスタジオは収録が始まる少し前だった。

「すいません、小道具お借りしに来ました。」

『はいはい、話は聞いてます。
勝手に持ってってー。』

「ありがとうございます。」

ダンボールに入った荷物を持って
扉を出ようとしたときだった？

脚で無理やり開けた扉が軽くなる。

「あっすいません。ありがとうございま…」

顔を上げて扉を支えてくれた人を見ると

なんと大倉さんだった。

え！なんで？！びっくりして周りを見渡すと
村上さんの姿も。あっ、なんかのゲストなのか！

村『大倉ぁ！はよ！
お前のトイレ待ちやぞ！』

大『ごめーん！かわええ子が両手塞がってたから』

そう言って扉を離す大倉くん。

私は閉まる扉をを目の前に彼を見つめた。

こちらをチラッと見てニコッと笑った。

村『ほんまお前はなぁ…』

村上さんの小言と共に扉が閉まる。

ふぁぁぁー、か、かっこいいっ。

まさかフライングで今日会えるなんて！

あ！いけない！
早く仕事に戻らなきゃっ。

その日はまともに仕事できてたかな。

会いたかった人に会えたことで
頭の中は真っ白だった。

気付けば仕事も終わり、後片付け。

帰りにまたBスタジオに荷物を持って、
寄ってみたが誰もいなかった。

こんな近くに今日は彼がいたんだ。
そう思うだけで楽しい1日だった。

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