腹黒男とゲス女(緑) (ページ3)

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計算高くて何が悪いページ3

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あー、モーツァルトのアシスタントつけるかなー。

佐藤さんにおねだり出来るようになるまで
とにかくお仕事頑張った！
1年間は何があっても文句も言わず
ただひたすら仕事に没頭した。

ここ最近は慣れて、後輩もできたりと
職場の中では中間な立ち位置に。

そこそこ誰とでも上手くやってきたつもりだけど
上手くやればやるほど、敵もできる。

雑庫で、使った道具の清掃をしていると、
私より少し先に働き出したADの年下2人組が
私を見てブツブツ文句を言っている。

私が最近佐藤さんにくっついて
色々任せられるのが気に食わないんだろう。

『Aさんって、やっぱり歳いってるから？
図々しいよねー。私達には無理ー。』

『そーそー。自分からあれやりたい、
これやりたいとか言ってねー。
どんだけ上に好かれたいんだよ。
計算高くて無理だわー。』

うん、歳いってるって言っても2個しか変わらんし。
まぁ、たしかにもう27だけど。

そういうのを他人にぶつけてないで

自分の努力に使えばいいのに…。

今年に入ってからこんな愚痴愚痴が
ずーっと続いている。

ただ、ヤラレっぱなしって嫌いなんだよね。

私はシカトして用具の整頓をすすめる。

『さっきも芸人の○○さんに声かけられて
嬉しそうにしてたし。』

あ、気に入らないのそこね。

若さだけが強いと思ってる
あなた達に教えてあげる。

仕事を終え、彼女たちの横を通るとき

“やっぱり歳いってるから？図々しいよねー。”

『『…え？』』

「一昨日の分もあるよ。なんなら1ヶ月前のも。」

そう言って私は携帯で録音してた
悪口を流し始める。

“Aさんって、あとから入ってきたくせに”

“上の人ばっかりに媚び売って”

“Aさんが渡してきたお茶なんて飲んだら
腹下すわ”

などなど散々私を目の前に言ってきた
暴言を聞かせてあげる。

『えっ…なんで…』

2人とも驚いて固まっている。

あー、傑作。

「わたし、嫌いなんだよね。
頭悪くて、ろくに仕事ができないくせに
人の働きにケチつける人。
僻む暇あったら、真面目に仕事したら？
あ、これ上司に聞かせるから。」

そう言って、扉に手をかける。

『待って！やめてよ！ありえない！！』

「は？なんでやめなきゃいけないの？
私そんな良い人じゃないし。」

そう言って雑庫を後にした。

計算高くて何が悪い。

計算しないと人生負けるんだよ。

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