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そんな時、携帯が鳴った。
ディスプレイには“職場”の文字。
「ごめん、ひとみ。ちょっと職場から
電話だから外出るね。」
私はひとみにだけ、言葉を残し、個室を後にした。
職場からの電話は、大したことない内容。
5分もせずに終わってしまった。
あぁー戻りたくないなぁ。
空を見上げると三日月が出ていた。
空気が肌寒い。
でも、暖かさも入り交じる空気。
もうすぐ春なんだなと感じる。
お店の向かい側に小さな喫煙所を見つけ
暫くそこで時間を潰すことに。
はぁー、やっぱり場違いだったんだなぁ。
また涙がこみ上げてきた。
ライブで見ていた彼らは、
笑顔でみんなに優しい笑顔を向けている。
そうだよね、それが仕事だもんね。
常に人に笑顔を与えているんだから、
オフの日くらい、素でいたいよね。
大切なオフな日を私に使ってしまったんだから
そりゃご機嫌も悪くなるよ。
仕方ない
仕方ない
仕方ない…。
そう思ってタバコに火をつけた。
頭の中、さっきの出来事がループする。
だめだめ！少しだけ音楽聴こう！
バッグからイヤホンを取り出して
音楽をシャッフルで流した。
選ばれた曲は洋楽のバラードだ。
タバコを吸いながら音楽に耳を傾け、
目を閉じ、膝を抱えて、その場に座り込んだ。
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作者名：yui | 作成日時：2018年9月17日 16時
