貴方でした（赤） (ページ43)

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ーSubaru sideー

外に出ると、道路挟んで向かい側で

女が男数人に絡まれていた。

アカン、あれAやん…。

「だから、タクシー呼ぼうと
してるだけなんです！離して！」

男『いーじゃん、だから送ってあげるって』

男『そうそう、家どこ？車乗って』

ヤバイ、車乗せられる！
俺はその場に走った。

「ちょ、やめてっ」

す『A！！！』

俺はそこに響き渡るほどデカい声で叫んだ。

す『おい、コラ。何しとんねん。』

ぐいっ

俺はAを掴んで自分の後ろに隠した。

男『はぁ？なんだチビ。』

す『誰の女に手ぇだしとんねん。
しばくぞホンマに。コラ。』

男『おい、本当に連れいたのかよ。構うな。
もう行くぞ。』

男たちは慌てて車に乗って、逃げていった。

す『…お前、何しとんねん…。』

「ご、ごめんなさい。」

す『いや、お前はなんも悪くない。』

掴んでた腕を離し、手を握った。

手は、震えている。

Aもぎゅっと握り返してきた。

が、涙をいっぱい溜めた目で
周りをキョロキョロと見渡している。

自分が危ない目にあって怯えていても

俺の立場を気にしてくれてんねんな。

す『大丈夫やから…』

そう言って手を握ったまま、タクシーを捕まえる。

Aを車に乗せ、少し待っててもらう。

ホンマ、記者はいなさそうやな…。

す『ヤス、呼んでくるから
ちょっと待っといてな。』

Aはこくんと頷いた。

す『ヤス、すまん。おまたせ。』

安『Aちゃん、大丈夫やった？』

す『なんや、変なのに絡まれとった。』

安『え！！』

す『今タクシー乗せてあるから、大丈夫や。』

そして2人で、駆け足で乗り込む。

安が前で、俺が後ろ。

安『Aちゃん！大丈夫やった？！
怖かったよなー？ごめんなぁ。
ここタクシー掴まえやすいから
安心しきっとった…。
俺らが行けばよかったなぁ。』

さっきまで震えてたAは明るく答えた。

「全然！ちょっとビックリしたけど、
何もされてないし大丈夫です。
ごめんなさい。私どんくさいから待たせましたね。
すみません！！」

安『大丈夫なら良かったぁ。
しぶやんが血相変えて店入ってきたから
やばかったんかと思ったわー。』

…いや、危なかったんでコイツ。

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