貴方でした（赤） (ページ5)

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『いらっしゃいませ』

「すみません、渋谷です。」

『はい、お待ちしておりました。こちらです。どうぞ。』

品の良さそうな店員に案内されると
いくつかある内の個室の前へ。

さすが、芸能人。

コンコンッ。

ひ『はーい、A？どうぞー。』

「遅れてごめんなさい。失礼しまーす…」

扉を開けた先には、
テーブルを挟んで向かい合わせのソファ席に、
ひとみと錦戸くん。その反対に大倉くんが
座っていた。

ひ『お仕事お疲れ様ー！私の昔からの親友の
Aでーす！』

ひとみが自己紹介をしてくれて、2人が私を見た。

ひゃー！本物だ。と思い、高鳴る胸の
鼓動を抑えつつ、挨拶をした。

「遅れてごめんなさい！はじめま…」

錦『なぁ、ええやん。ひとみちゃん！な？』

ひ『しっ！今自己紹介タイムでしょー？』

呆気なく私の自己紹介はかき消された。

て、言うか私まだ席にもついてないし。

てか、錦戸くんひとみの腰を抱いて
めちゃくちゃ近い…。

大倉くんは、私を見てため息をつきながら
視線を食事に戻した。

え？こんな感じ？

ひ『A座りなよー。大倉さん、お隣いい？』

大『はぁー…』

あからさまに、嫌そうに大倉くんはソファの
端に身を寄せた。