貴方でした（赤） (ページ34)

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「ふぅー、まだ夜は涼しいですね。
体冷えちゃった。」

す『一緒に風呂入るか？』

「あ、いえいえ。大丈夫です。
先に入ってください。
あ、早めに出てきてくださいね。」

す『さらっとスルーすんなよ。
しかも、さらっと風呂を急かすし。』

「ふふふ。早めには冗談ですよ。
お疲れでしょうし、ゆっくり入ってください。
今日は、ゆず湯にしたんですー。」

す『なんや、旅館に来た並のおもてなしやな。
ほな、お風呂頂きますー。』

ふぅーっ

サラッと誘惑してくるから
ドキドキしちゃう。

推しじゃなくても、大好きなすばるさんだよ？

クラっときちゃうよ。

危ない危ない…

本気にしないようにしなきゃ。

でも、歌褒めてもらえたのは嬉しいなぁ…

あれ？
てか、すばるさんに今日どこで寝てもらおう…。

お布団はずっと押入れいれっぱだし…。

とりあえず私のベッドでいいか。
シーツだけ変えとこ。

今更だけど、あの渋谷すばるがうちに
泊まるってすごくないか？

やだ、意識したらドキドキしてきた。

あれは、近所のお兄ちゃん

近所のお兄ちゃん

近所のお兄ちゃん…

す『なにブツブツ言ってるん。』

「ひょっ！！！」

す『どんな声の上げ方やねん。笑

風呂ありがとうな。お前も冷えたんやろ。
早よ入りぃな。』

「あ、はい。ではでは…。

…覗くなよ？」

す『アホ！覗くなんてせえへんわ。
やるなら、堂々と入ってくわ。』

うん、鍵閉めとこ。笑

チャポンッ

ふぅー…

いやぁ、でも…

私ここ数年、男の人と一晩過ごすとか
なかったかも…

ロスじゃもちろん彼氏なんて出来ないし。

今更だけど、昨日からお知り合いになった人を
お家に上げるなんて、不用心だったかな。

でも、すばるさんは
一方的にだけど、昔から知ってる人だし…

なんか直感でこの人は大丈夫って
思ったんだよね…。

ひゃーーーー？

あぁ、酔が冷めてきた。

今更だけど、このお風呂にすばるが
入ったとか信じらんない！！

きゃーーーーー！

今日だけ、このドキドキを許して！
大倉くん！！

あ、違う。私、昨日大倉くんに嫌われたんだった。

…ぶくぶくぶく。

湯船に沈む私。

はぁー、正に心はローリングコースターだよ…。

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