貴方でした（赤） (ページ29)

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「大胆なお誘いはしましたけど、
そういう事はしないですよ…？」

す『そういう事ってなんやねん。やーらし。』

「なっ！渋谷さんが言ったんじゃないですか！」

す『冗談やん。てか、渋谷さん呼び辞めへん？
いつもテレビの前ではすばるやろ？』

「そうですけど…でも、年上だし。」

す『自分、いくつなん？』

「私は20代後半です。」

す『ざっくりか。別に呼び捨てでええよ。』

「じゃぁ…ずはるさん？」

す『なんや、それええなぁ！
もう1回呼んで呼んで？』

「もーーう！言わないです！」

そんなくだらない話をしながら
私の家に車を走らせた。

す『なんや、お前めちゃめちゃええとこ
住んでるやん。そこ、PVの撮影したとこや。』

「あ、赤レンガですね？
ここ、元々はおじいちゃんとおばあちゃんの
家だったんです。駐車場そこ入れてください。」

オートロックのマンションの
駐車場を鍵で開ける。

「私、中学の頃から祖父母と住んでて。
実家は私、秋田なんですよ。祖父母が
亡くなったときに、私が譲り受けたんです。」

す『へぇー。』

そのまま私達は部屋へ。

「どうぞ、適当に座ってください。」

部屋最近キレイにしておいて良かったー。

す『なんや、本当に立派な家やな。』

「3人で住んでたので。
女子って感じの家ではないですよね。」

す『いや、家庭な感じでええわ。実家っぽい。』

「それなら良かったですー。お腹空いてます？」

す『おん。流石に腹減ったわ。』

「急いでご飯作りますね。
テレビでも見ててください。」

えーっと作り置きしてあったピクルスと、
キャベツの炒めものと…あと適当に
パスタ作るか。お米炊けるより早いよね。

す『なあ、喉乾いた。なんか飲みたい。』

「あ、適当に飲んでいいですよー。
コップこんなんしかないですけど、どうぞ。」

私はすばるさんにグラスを渡した。

す『お！冷蔵庫ん中キレイやな。
自炊してます感がヤバイわ。』

「祖父母のご飯も私よく作ってたからなぁ。
こんないいとこ住んじゃって金欠だし。」

キュッ
キュポンッ

ん？キュポンッ？

パスタを茹でつつ、すばるさんを見ると

私のご褒美ワインを飲んでいた。

「あぁー！ちょっと！
それご褒美ワイン！！
てか、すばるさん車でしょ？！」

す『お前が適当に飲んで良いゆーたやん！
明日午後からだから大丈夫や。今日寝かせて。』

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