貴方でした（赤） (ページ20)

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ひとみとバイバイをした後、

なんとなくそのまま家に帰るのは寂しくて
都内にも頻繁にも来ないので
フラフラと街を探索することにした。

ふと、カフェの近くにあった
古着屋さんが目に止まった。

給料日も過ぎたし、季節の変わり目だし…
洋服買っちゃおうかなぁ…

私は吸い込まれるように
お店に入っていった。

お店の雰囲気はカントリー調で
落ち着いている。

雑貨も売っていて中々可愛い。

『いらっしゃいませー。』

店員さんは渋めなおじさんで、
ニコッと挨拶をしてくれた。

お客さんは、私以外いないみたい…。

落ち着いた80年代の洋楽が流れている。

このお店の雰囲気大好きかも…。

どの服も可愛くて、気になるものばかり。

その中でショート丈の
ワインカラーのカーディガンが目に入った。

あ、これすごくタイプかも。

袖はボリューム袖になっていて可愛い。

『それ、かわいいよね。僕も買い付けの時に
一目惚れしてんだ。』

さっきの店員さんが話しかけてきた。
店長さんなのかな？

『君の身長でこれを着こなしたら
かっこいいと思うよ。中にこんなワンピース
合わせたらどうかな？』

店長が出してきたのは、黒のAラインのワンピース
胸元が少し空いていて、丈は足首少しくらいの
上品な感じだった。

「すっごいタイプです…
可愛い…！！」

『良かったら試着してみる？』

「はい！是非！」

私は試着してみることにした。

試着をしている最中、誰かお客さんが他にも
来たようだった。

店『いらっしゃいませー。
あれ？また来たの！』

店長とそのお客さんは顔なじみのようで
楽しそうに話している。

店『あ、今お客さんが試着してて。
まぁゆっくりしてってよ。』

私は試着が終わり、ゆっくり試着室から出た。

店『すごいよく似合ってるよ！
セールストーク抜きに！』

確かに我ながら似合ってる気がする。

気にしてるお腹周りも
太もももカバーされてるし。

「どうしよう…買っちゃおうかな」

店『ありがとう。本当に似合ってたし、
少し安くしとくよ。』

「本当ですか！ありがとうございます」

わーい、今日はいいお店にも出会えて
いい洋服にも出会えていい日だなっ。

店『気持ちだけど割引させてもらって
2点で、32000円です。』

…え？

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