貴方でした（赤） (ページ18)

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ーyour sideー

個室を出ると、ひとみが待っていた。

そのまま無言で店を出た。

ひ『A…ありがとう。』

「え、何が？
こちらこそだよー。
でも…錦戸さん、本気な気がしたよ。
アプローチ最悪だったけど…」

ひ『うーん…。よく分かんない。
こんな仕事してるし、軽く見られるのは
仕方ないけどね。でも、Aが、
私のことを職業で見てないんだな
って言うのが嬉しかった。』

「そりゃね。
何年の付き合いだと思ってるのさー！」

ひ『私ね、本当は少し賭けてたの。
錦戸さんが、Aに謝って、
私を追いかけて来てくれるの。

お酒入ってるやつに希望を持つのが
無理な話だったかもだけど。』

ひとみ、本当は、錦戸さんのこと
気になってたんだ…。

「私がこんなんだから…
ごめんね…。空気悪くなっちゃって…」

ひ『私、Aのそういう所嫌い！
渋谷さんにも言われたでしょ？
Aは何も悪くないんだから
堂々としてな！

錦戸さんには、性格改めて出直してもらお！

…大丈夫！顔がタイプなだけだったから！』

そう言って、ひとみは笑った。

本当にごめん…。

ひ『…渋谷さんって、テレビで見てるより
ずっとずっと優しいひとだね。』

「…そうだね。びっくりした。
今更たくさん話してドキドキしてきたー！
でも、応援してきた通り、素敵な人だった。」

ひ『A、なんであの大きい人のファンなのー
渋谷さんのがちっちゃいけど、カッコイイじゃん！
相変わらず見る目ないなー』

「それはお互い様ー！」

ひ『今日は飲もう！明日休みっしょ？
家で飲もうー！！これからパーティーだ！』

その日はベロベロになるまで飲んで

たくさん話して気付いたら
リビングで2人で潰れていた。

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