貴方でした（赤） (ページ11)

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少しの無言が続き、
上手く稼働しない頭をフルに回転させ
出てきた言葉は

「中の上って一般人からしたら
そこそこの褒め言葉ですよ。」

なーんて、すごくくだらない言葉。

す『いや、別にけなしてへんし。』

「渋谷さんのお仲間の方は
中の上と言いながら、私にすごくがっかり
されてましたよ。いつも上物だけを
お相手されているようで。」

す『あいつらか？最近ようつるんで
なんか漁ってるみたいやなぁ。
まぁ、お前はタイプちゃうんやな。』

「そうですね。
申し訳ないとお伝えください。」

ニコッと営業スマイルを渋谷さんに向けた。

す『なぁ、お前大倉のファンやったんやろ。』

「えっ…。」

す『さっき、タバコ出すときに、eighterの
ストラップ見えたで。グリーン。』

しまった！
家の鍵のストラップが見えたんだ！

「いや！こ、これは、姪に頂いただけです。」

なんて下手な嘘。

す『どうでもええけど。
憧れてた奴に冷たくあしらわれて
感傷中なん？ファンやめてまおうって
思ったやろ。』

どこかニヤニヤと聞いてくる渋谷さん。

なんだか悔しい。

「いいえ…。
こういう人たちだろうなって
なんとなく分かってました。
ファン舐めないで下さい。
それでも、TVの大倉くんが、
ライブの大倉くんが好きだからいいんです。」

そう言って静かに腕を振り払った。

「まぁでも…
ここまで酷いとは思わなかったけど。」

す『ふーん。
なんや、ファンってよう分からんの。』

「あ、でもファンなのは秘密にしてください。
ファンであることもきっしょって言われたら、
さすがに立ち直れない…。」

す『それでもファンでいたいんか。
健気というかアホと言うか…。おもろいな。
てか、お前、俺も一応関ジャニやで。
普通に会話してくるけど。テンションあがれや。』

「確かに…。ちょっとあの店で言葉と態度の
ボディブロー食らった後だから
鈍くなってるのかも。
会話してくれてありがとうございます。
渋谷さん。ちょっと元気出ました。」

「私、1番渋谷さんにボロクソ言われると
思ってました。」

す『あほ。シラフやし、さすがに理性があるから
そんなボロクソな事言わんわ。それにあれやで。
結構好きやで。中の上。』

「えっ、」

す『そのムチッとした足とか。』

テレビと変わらず変態。

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