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剛くんとの出会い ページ5

ビックリした君の顔は今でも忘れない





Aと初めて共演したのは

映画『ヘルタースケルター』

ちょっと体当たりシーンが多い予定だから

僕も緊張して現場に入ったのを覚えている



まだ新人だったAは

その頃から割と肝の据わっている女の子で

あまり緊張している素振りはなかった




顔立ちも綺麗で

実力も新人の中では群を抜いていたから

同業者は興味なかったけど

なぜかAには惹かれた






初対面のAとは元恋人という設定で

いきなりキスシーンから

撮影が始まる予定でリハが始まった

段取りを何度か確認して休憩後に撮影をすることになった




楽屋で呼ばれるまで休んでると

「あの、綾野さん。

今ちょっといいですか?」



Aは先程とは打って変わって

すごく緊張した面持ちでやってきた





「どうしたの?
さっきのシーンの確認?」



「はい。
実は、、その、、私まだキスしたことないんです…」




「、、、えーと。
じゃあこれからやるキスシーンがファーストキスになるってこと?」


「そうなんです、、
だから上手くできるか心配で。」




「、、素朴な疑問だけど、相手は僕でいいの?」




「綾野さんが嫌じゃなければ大丈夫です。」


「そっか…確認だけど今まで恋人とかいなかったの?
すごくモテそうなのに…」

「いなかったです。
学校は女子校だし、わりとハブられてたので、、」

「あ〜、、変なこと聞いてごめん。」

「そんな!私全然気にしてないので!


それで、本番前に練習させてもらえませんか?」


彼女は変なところ真面目みたいで

良い作品を作るためにわざわざ

僕を訪ねたんだろうということが

ひしひしと伝わってきた

ここまで言われて協力しない訳にはいかない




「わかった。
藤堂さんは好きな人っている?
アニメのキャラとかでもいいんだけど…」

「かっこいいなって思ってる人はいます。」

「じゃあ、その人を思い浮かべてすればいいと思うよ。
ちなみに誰か聞いても良い?」


「映画クローズZEROの漆原凌くんがかっこいいなって、、
役やってた俳優さんが誰だったのかわかんないんですけど…」


「、、ふはっ、それ僕なんだけど。」


「えっ!綾野さんが凌くんなんですか!?
、、全然わかんなかったです。」


彼女の中で漆原凌=綾野剛は

成立していないようでしばらく驚いて固まっていた




その顔はなんとも間抜けだったけど




すごくかわいくて愛おしく感じたのを今でも覚えてる

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設定タグ:女優   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:misamisa222 | 作成日時:2021年11月8日 22時

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