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「ただし、長くは待てないからね。何度でも言うけど青春は短い、けれど人生において一秒だって無駄にできない重要性を孕んでいる。浮かれて騒ぐだけで終わらせるのは、もったいないよね。ここが君たちの人生の岐路だよ、どの道を選ぶか熟考してほしい。曖昧な夢ではなく、生々しくて厳しい現実と向きあうときがきたんだよ。さて、次は君の番だね」
そう言って私の方を向く
『…………何か目をつけられるようなことしましたか？私』
「うん、したよ」
わー……にっこり笑顔
『では、手短にお願いします』
「そうだね、時間もないし。単刀直入に言うと、君は『fine』専属のプロデューサーになってほしい」
『お断りします』
「考える素振りも見せずに即答だね」
『予想はしていたので』
「僕は君の腕を買っているんだよ？」
『それはとても嬉しいです。でも、私を縛ることは誰にも出来ませんよ？』
「君がこの学院に入った理由は知っているよ。朔間家長女、朔間Aちゃん？」
『あはは！じゃあ、血でも吸わせてくれるんですか？』
「君が専属プロデューサーになってくれるならいくらでも、と言いたいけど残念なことに僕は病弱でね。血の一滴でも大事なんだ」
『なら、無理ですよ。というか、断られる事なんて最初から分かっているはずでは？』
「君は卒業後、日本に居ることは出来ないんだろう？」
『そこまでご存知でしたか。日本に居られる残り数年、私は私のやりたいようにやっていいと、そういう約束なんです』
「卒業後も日本に居られる……としたら？」
日本に……？有り得ない
『絶対に有り得ませんね。これは決定事項なんです。貴方ならよくお分かりだと思いますけど？』
「君のお兄さん達……特に朔間さんは猛反対するだろうけど……君の婚約者に立候補するよ」
『は、はぁ！？！？！？！？』
「僕の家柄なら問題ないはずだよ。血筋はちょっと厳しいかもしれないけどね」
『いやいやいや、そんな事しても私は絶対に従いませんから』
確かに私の婚約者候補がリストアップされ始めていることは知ってる
それに零お兄ちゃんが関わっていることも
「すでに申し込んでいるよ」
『えぇ……』
空いた口が塞がりませんよ、英智先輩
「君が専属プロデューサーにならないことは想定済みだからね。でも、僕の『fine』を見れば考えは変わるはずだよ」
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
