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「それに人数がいたほうが、練習の幅も増えるだろ？」
「べつにいいのに〜……。衣更くんは、ほんと『世話焼き屋さん』だよね。でも布団とかないでしょ、どうするの？」
「俺もいったん家に戻って、布団とかもってくるよ。そのついでに、もう遅い時間だし……転校生とAを家まで送ってく。ってことで、いいな？決定！」
「え」
『え』
「衣更くんは強引だなぁ」
「私も泊まりたい……」
「え！？駄目だよ、いちおう異性だよ？同じ部屋で寝泊まりするなんて、何かあったらどうするの？」
『何かする気なんだ……』
「そうそう、おとなしく帰っとけ。転校生と一夜をともにしたなんて、あとで知られたら北斗やスバルに何を言われるかわからん。親御さんも心配すんだろ、ほら帰るぞ〜。じゃあな、真。すぐに戻ってくるから、留守番は頼んだぞ？」
「はいはい。夜道は気をつけてね、さんにんとも」
『あっ、私は……』
「んん？」
「ゆうくん。逃げるなんて酷いじゃん、傷ついちゃうなぁ？」
突然知らない人が入ってきた
なんか見たことあるような……？
「げぇ！？い……泉さん！」
「『げぇ』って何なの、お化けでも見たような反応だねぇ？チョ〜うざぁい♪」
「うわ、何だあんた。この防音練習室は『Trickstar』の貸し切りだぞ、関係者以外は立ち入り禁止！」
「ん〜？あんたに話しかけてんじゃないんだよねぇ、引っこんでてくれるぅ？ていうか敬語で喋ってくれないかな、後輩くん。生意気な子は、この夢ノ咲学院じゃ生きていけないよ？プチって踏みつぶされたいのかなぁ、虫けら♪」
「……おい、真。このひと何なの、おまえの知りあい？」
「……さっき言ったでしょ、『ちょっと面倒なひと』に絡まれたって。これが、そのひと。夢ノ咲学院における最強『ユニット』のひとつ……『Knights』のメンバー、瀬名泉さん」
『Knightsの……』
てことは凛月お兄ちゃんと同じユニットの人？どうりで見たことあるような気がしたわけだ
「むかしから、なぜか僕に突っかかってくるんだよ〜？」
「ねぇ、ボソボソと内緒話しないでくれる？チョ〜うざぁい！だいたい水臭いじゃない、俺はかわいい後輩を応援してあげようとしただけなのに。逃げちゃうんだもん、ゆうくん。酷いなぁ、傷ついちゃうなぁ〜♪いちおう、忠告しようと思ってさ。何を張りきってるのか知らないけど……ゆうくん才能ないんだから、アイドルとしてがんばるなんて無駄なことやめようよ？」
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作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年2月17日 22時
