13 ページ13
「餓鬼だな、お前」
「え？」
「今日の見て分かったろ？雷門サッカー部はこの程度の実力なんだ」
『は？』
「そんなことないです」
「あのな、怖くなったんだよ。サッカーが」
「怖い？サッカーの何が怖いんですか？サッカーって楽しいと思うんです。俺達が楽しいって思わなかったらサッカーが可哀想ですよ！」
あははははは！
天馬の言葉に周りが笑う
「おい、1年。サッカーが可哀想だ？サッカーは人間じゃねぇよ」
「え……でも、俺！本気でそう思ってます！楽しいって思えばきっとサッカーは嬉しいはずです！」
「行かせてやれ」
「キャプテン……」
「ありがとよ、神童。そろそろこいつの言うことにキレそうになってた所だ」
そう言って天馬を突き飛ばした
『…………』
ダンッ
「！」
入口を塞ぐようにボクは壁に足を当てる
『ねぇ、謝ってよ。根性無し先輩』
「なんだと？」
『辞めるのは別にいいよ？サッカーが、フィフスセクターが怖いんでしょ？そんな弱虫で根性無しな人達はこっちから願い下げなんで。一緒にフィールドにだって立ちたくない』
「てめぇ……！」
『でもさ、天馬が一生懸命説得してんのになんで笑えるの？しかも突き飛ばして。天馬はあんな状況でも諦めずに戦ってたんだよ？ファーストチームが来るまで1人で剣城とも対峙してた。むしろお礼を言うべきでは？』
「っうぜぇんだよ！」
根性無し先輩が殴りかかってきた
「やめろ！水森！！」
キャプテンが制止の声を上げるが根性無し先輩は止まらない
『はぁ……これだから根性無しは……攻撃が単調なんだよ』
スッと躱し鳩尾に蹴りを入れる
「ぐっ！！」
『いくら頭に血が上ったからって女の子を殴ろうとする？最低』
崩れ落ちて鳩尾を抑える先輩を見下ろす
他の部員が根性無し先輩を連れて出ていく
「キャプテン、すみません！」
それに続いてマネージャー達も出ていく
『だから謝って礼を言えってば……ムカつくな』
「だめだ……もうだめだ……」
「青山？」
「お前は続けるのか？」
「……」
「一乃……」
「セカンドはもう終わりだ。俺ももうやめるよ」
「わかった」
「残っているのはこれだけ？」
辞める人達が出ていった後、入れ違いで監督と先生が入ってきた
「はい、ファーストの9人これで全員です」
「そうか」
「俺の力不足です」
「沈みかかった船に鼠は残らんちゅーことっすかねー」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ポン酢 | 作成日時：2021年12月1日 6時
