Look at only me ＿5

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数十分後、俺はすっかり出来上がってしまっていた。






勇征『颯太ぁ……』



颯太『もー、飲みすぎですよぉ、勇征くん…』



ぽんぽん頭を叩いてくる颯太も酔いが回っていて、顔がほんのり赤く染まっていた。



そんな時、ふと颯太が真面目な顔をして問いかけた。



颯太『……最近、彼女とはどうなんですか？』


勇征『彼女ぉ…？んん…まぁまぁ………？』


颯太『仲良くやってるんですか？』


勇征『…あぁ、この前も行きたいとこあるからってデートしてきたよ。』




…全然楽しくなかったけど。

わざとらしく へらっと笑って言うと、颯太の方は全く笑っていなかった。


寧ろ真面目な顔してこう告げた。



颯太『僕じゃあかんの、…なぁ、勇征くん。』



潤んだ瞳。切なげに垂れ下がった眉。



ちょっぴり毒舌で、はっきりとした性格の颯太とは似ても似つかない表情を浮かべていた。


勇征『颯太…っん、』


唇に何か柔らかいものが触れ、颯太の顔が間近にある。


自分がされたことを理解したのは、颯太が俺から離れた後だった。


完全に酔いが覚めてしまった。



勇征『そ…うた…え、』


颯太『…好きやで、勇征くん。』


目の前の好きな人が笑顔でそう告げる姿に、行き場のない気持ちと罪悪感が湧き上がってくる。


いつの間にか涙が頬を伝っていた。


勇征『っ、ごめん、颯太…ごめ、』


颯太『…なんで勇征くんが泣いてるん？笑

ほら、泣かんといて。綺麗な顔が台無しやで？』


勇征『ん…』


頬を伝う涙を拭われ、颯太は愛おしげに微笑んだ。




……俺、何やってんだろ。




勇征『ありがとう、颯太…ごめん、今日はもう帰らなきゃ。』




" 彼女が心配するから "




颯太『ん…分かった。気ぃ付けて下さいね？』


勇征『うん。ありがとう…じゃ、』



そう告げてその場を後にした。

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