2 ページ15
すとん、と樹さんの隣に座ると、心配そうに声をかけられた。
樹『何かあった?さっきから暗い顔してるけど』
慎『…いえ。あ、それより樹さんってクリスマス何するんですか?』
樹『んー?仕事入ってるだろうし、帰ったらマースと過ごすかな。』
慎『そうですか…』
樹『暇だったら、なんか買って家で飲む?』
慎『いいんですか?!ぜひ。』
樹『楽しみにしてるね。』
慎『はい!』
__
クリスマス当日。
元々夜までだった仕事が、夕方で終わったため
少し色んなものを見てから帰ろうということになった。
ショッピングモールで服を見ていると、時刻は既に8時を回っていた。
慎『買うもの買ったし、そろそろ樹さんの家行きます?』
樹『ん。行こっか。』
外に出ると、店内とは打って変わって冷たい風が吹いていた。
マフラーを巻きながら歩いていると、前に人だかりが出来ているのに気づいた。
慎『?』
顔を上げると、目の前には見覚えのあるツリーが立っていた。
色とりどりにライトアップされたツリーが、さっきまで忘れていた思い出を浮かべさせる。
樹『綺麗だね、ツリー。』
慎『……はい。』
2人で、このツリーの前で笑いあって。
柄にもなく指切りして。
キラキラした目でツリーを見つめる壱馬さんを、3年間隣で見てきた場所。
1つ1つの思い出が鮮明に浮かんできて、視界を歪ませる。
樹『……まこっちゃん、どうしたの…?』
唇を噛み締めて、嗚咽が漏れるのを必死にこらえる。
この思い出だけは、昨日のことのように覚えてる。
222人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごあめ.(プロフ) - るいさん» 初めまして、毎晩読んでくださってるんですか?!ありがとうございます…!フォローリクエスト承認致しました! (2022年10月13日 7時) (レス) id: 71d627eead (このIDを非表示/違反報告)
るい - 毎晩みさせていただいております♪Twitterフォローいたしました! (2022年10月13日 0時) (レス) @page29 id: 800f58bcd6 (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - りーさん» ありがとうございます…!特に思入れの深い作品なので嬉しいです… (2021年7月17日 15時) (レス) id: 71d627eead (このIDを非表示/違反報告)
りー - まこいつカップルいいですねー大好きです。面白かったです。 (2021年7月17日 3時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - maikoさん» ありがとうございます!!(><) (2021年1月12日 17時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いちごあめ. | 作成日時:2020年11月15日 0時