Look at only me ＿

Tear color. (ゆせ × そた) ページ46

※ 颯太くんが別の人に片想いしてます


_颯太side


霜焼けが出来るほどの寒い冬の日。

長年膨らんでいった想いは、その日突然はち切れた。


____

リハーサル終わり。

今日も大好きなあの人が、自分を見つけて駆けてくる。

慧人『そーうたっ！』

颯太『うわっ、慧人……危ないやろ。』


後ろからどーんっと抱きついてくる慧人。


デビューが決まる前から、僕はずっと、慧人に片想いしている。


毎日太陽みたいに明るい笑顔を浮かべて、僕の元にやってくる慧人が大好きだった。

あの日までは。

___

颯太『え……』

目の前に広がる光景を見て、今まで手を温めてくれていた缶が、床に転がった。

手を繋いで嬉しそうに笑い合う、慧人と堀夏くん。

少し距離があるからか、2人は僕に全く気づいていない。

苦々しい感情が胸いっぱいに広がって、疑問で頭の中がいっぱいになる。

慧人から相談なんて、一度もされたことなかったのに。

なんで気づかなかったんだろう。


慧人が堀夏くんのことを好きだって。


落とした缶を拾い上げて、ぎゅ、と抱きかかえて俯いた。


缶は温かいはずなのに、自分の心はどんどん冷めていっている気がした。


まだ2人はいるのか、前を向こうとした時、

誰かの手で目を覆われた。


………この香水の香り。



颯太『勇征くん……？』

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