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壱馬『慎っ…!何してんねん…!!』
壱馬さんは怒った顔をして、俺の手からカッターを取って抱き締めた。
慎『あ…ぁっ…、』
抱き締められると、不安と安心した気持ちでいっぱいになり、涙がより一層溢れる。
慎『うぁっ…うぅ…。』
涙はいつまで経っても止まる気配は無く、より酷くなる一方だった。
壱馬『…慎…』
壱馬さんは俺が落ち着くまで抱き締めていてくれて、それ以外何もしてこなかった。
慎『壱馬さん…ごめんなさい。』
壱馬『…うん、大丈夫やで。分かってるから…』
俺が手首を切るのはよくある事で、その度に壱馬さんは少し怒るけど心配してくれた。
慎『あの…俺…………っ!?』
壱馬さんの腕を見て、目を見張った。
カッターで切ったような跡があり、そこから血が出てきていたのか血の流れた跡が付いていた。
もしかして、さっき切ったのは…
慎『壱馬さっ…!腕…!!』
壱馬『あぁ、これくらい大丈夫やから。安心してな?』
慎『でもっ…!』
壱馬『慎。』
慎『ビクッ』
壱馬『俺は、慎の腕がぼろぼろになるよりは自分が傷つく方がいいんや…もう慎の腕に傷が増えるのは、見たくない。』
慎『ぁ…』
壱馬『切ってしまうのも、慎が色々悩むのも分かってる…だから』
慎『っ…!』
ぎゅ っと再び強く抱きしめられる。
壱馬『慎の胸の痛み、全部俺にぶつけろ。切りたかったら俺の腕切って。もしくは…切るのをやめられる事をして、…』
弱々しく俺に訴える壱馬さんを見て、俺は罪悪感でいっぱいになった。
こんなに、想ってくれる人がいるのに。
俺はその人が見えてなかった。
傷ついてるのは自分だけだと思っていた。
でも、
違った。
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いちごあめ.(プロフ) - すずまるさん» 嬉しいです泣! (2020年11月12日 7時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
すずまる(プロフ) - ゆせそた最高でした!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 32ac69c80c (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - すずまるさん» リクエストありがとうございます!頑張ります! (2020年11月11日 16時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - ゆせそた!!私も大好きなので頑張ります!ありがとうございます!! (2020年11月11日 16時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - れなさん» 了解です! (2020年11月11日 16時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごあめ. | 作成日時:2020年7月14日 19時