Look at only me ＿

11 ページ11

長くなりますすみません…！

_北人side

” 壱馬さんの事が好きなんですか？ ”




その言葉にびっくりして、しばらく声が出なかった。


北人『え………、』



こっちを見つめてくる樹の顔は真剣で、


なんでそんな事を聞いてくるのか分からなかった。


北人『…壱馬の事は…友達として、同じボーカルのライバルとして好きだよ。




…樹は、まこっちゃんの事恋愛感情として好きなの？』



樹『…え？まこっちゃん？




いや…まこっちゃんは相談受けてただけですし、…それに俺には他に好きな人が……』


北人『…………え』



好きな人。樹の口からはっきりと聞こえた。



…樹、好きな人いたんだ。



樹に想われてるんだから、相当美人なんだろうな。


今まで熱かった顔から、徐々に熱が引いていくのが分かった。



北人『…あ、そっ…か。

樹の好きな人って、どんな子？』



声が震える。樹の方を見れない。



………やばい、泣きそう。



でも、樹の前で泣いてしまったら。


気持ちがバレてしまうかもしれない。



もう話して貰えないかもしれない。


…耐えなきゃ



樹『…気になるんですか？』


北人『…え、うん。


…あは、だって樹の好きな子だよ？


相当美人なんだろうなって』




乾いた笑顔を貼り付けて



必死に苦しい気持ちを隠した。


樹『………俺の好きな人は、確かに綺麗です。


たまに美しかったり


可愛かったり


とにかく俺の中で、1番の人なんです。』


樹がそんなに褒める人なんて、今まで…



…耐えなきゃ耐えなきゃ耐えなきゃ。



そんな気持ちがどんどん大きくなっていって、



ぼろっと壊れたように涙が溢れた。



ぽた、ぽたと手や、太ももに涙が零れていく。



樹『………北人さん？


なんで泣いてるんですか…？』



樹の手が頬に触れる。


こんな泣いてる顔、見せたくないのに。


そんなに優しく話しかけないで欲しい。



北人『……ひっく…、うぅっ…』



……もういいや。バレても。

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す