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_ 慎side
慎『はぁっ……は、っ』
事務所近くまで走ってもなお、恐怖で泣き出しそうになった。
慎『…もう、いないよね…』
「 いるよ 。」
慎『ひっ…!!』
後ろから声がして、振り向いたのと同時に
そのまま路地裏まで引きずり込まれた。
慎『いやっ…!やめ…!』
「 藤原樹 。」
慎『え……』
「 いいのか?今お前が暴れたら……
あいつ、いなくなるぞ。 」
慎『っ…!!』
目の前の男に何をされるか分からないこの状況が、怖くてたまらなかった。
そして、大好きな樹さんにこいつが手を出したら………
そう考えると、体がすくんで動けなくなった。
「 ははっ、あいつの名前出しただけで黙り込むなんてなぁ。
……ねぇ慎くん、俺と遊んでくれるよね?」
抵抗したら、樹さんにまで傷がつく。
そう考えると抵抗出来ず、男の好き勝手な行動にされるがままだった。
ちゅっ、と気持ち悪い舌が口内で暴れる。
吐き気を催したがなんとか耐え、泣きながら目を瞑った。
その時だった。
" バキッ "
痛々しい音が響き、目を開くと、少し離れたところに男が横たわっていた。
慎『え…?』
樹『まこっちゃん…!』
心配そうな樹さんに抱きしめられる。
……もしかして、助けに来てくれた?
慎『っ…!いつきさ……』
安堵と恐怖が入りまじり、抱きしめ返そうとした手が震える。
体が言うことを効かない。
俺は目の前にいる恋人と、襲ってきた男を重ねてしまっている。
………嫌だ。
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いちごあめ.(プロフ) - すずまるさん» 嬉しいです泣! (2020年11月12日 7時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
すずまる(プロフ) - ゆせそた最高でした!! (2020年11月12日 1時) (レス) id: 32ac69c80c (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - すずまるさん» リクエストありがとうございます!頑張ります! (2020年11月11日 16時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - ゆせそた!!私も大好きなので頑張ります!ありがとうございます!! (2020年11月11日 16時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
いちごあめ.(プロフ) - れなさん» 了解です! (2020年11月11日 16時) (レス) id: f93e8e8aba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごあめ. | 作成日時:2020年7月14日 19時