#54 ページ5
kuro side
.
危ない。Aに勘づかれるところだった。
というか、もう遅いのかもしれないけど。
遡ること1週間。
放課後、1人でブラブラと校舎裏へ向かっていた。
最近、女子からの呼び出しが増えた。
放課後の校舎裏ってどんだけ古風なんだよ、
どうせまた今日も知らない女子なんだろうな、なんて思いながらも、
この手紙、頑張って何回も書き直してくれたのかな、とか、
靴箱に忍ばせたり、渡したりするのも勇気いったんだろうな、とか考えたら、
すっぽかすのは申し訳なくて。
告白を受けては断って、告白を受けては断っての繰り返し。
振る方も結構キツイんだなー、って最近改めて実感した。
その日もやっぱり見知らぬ女子が校舎裏で待っていて。
「お待たせ、」
女「…あの、1-10の高田美音って言います！最近、光輝先輩のこと好きになって…」
女「良かったら、私と付き合って貰えませんか？」
「俺にも好きな人がいるから付き合えない。ごめんね、」
女「光輝先輩に好きな人がいても全然構わないんで！」
「んー、それは俺が嫌かも、最低な奴にはなりたくないからさ、」
女「…そうですか、」
女「ちなみに、光輝先輩が好きな人って誰なんですか？」
またその質問。それを聞いて何になるんだろう？
Aに寄せたところで、俺が好きなのはAなのに。
「…友達、かな」
女「それって、A先輩のことですか？いつも光輝先輩の近くにいるし…」
「俺がAとよく一緒にいるとか、よく知ってんね、」
女「で、A先輩なんですか？」
「んー、どうだろね」
Aに迷惑がかかったら嫌だから、いつも誤魔化すようにしてる。
いつも何故かすぐバレるけど。
大抵は、俺がAのことを誤魔化すと諦めて帰っていく。
その日もまた、Aのことを聞いてきた女子はすごすごと帰って行った。
「あー、もうこんな時間か」
いつもより遅くなったけど、特に用事がある訳でもないので歩いて教室に向かう。
その途中で、おりを見かけた。
いつもなら、気にも留めなかったと思う。
でもおりは、その日学校を休んでいた。
それに、おりは担任と職員室の前で立ち話の最中。
おりは、先生と特別仲が良いって訳じゃ無いから、少し気になって、
俺は、おりに近付いた。
織「…の日が決まりました」
担任「いつになるんだ？」
織「再来週の土曜に、向こうに引っ越すことになりました」
担任「そうか、」
.
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←#53
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 164人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももんが | 作成日時：2021年9月28日 11時
