再会 ページ6
「おにいさまっ！！」
がばりと自分より何倍も大きい自慢の大好きな兄に飛びつくように抱きつく。
「これ、A。先程注意したばかりであろうに」
リリアはやれやれと大袈裟に肩を竦め、両手を挙げて首を振る。しかし久しぶりに感動の再会を兄妹が果たしているため、これ以上水を刺したりしないのはさすが年の功である。
「A、久しいな。少し背が伸びたか？」
「ええ！おおきくなったのよ！
それでね、おにいさま、きいた？これからAといっしょにココにいられるって…」
マレウスは血を分けた可愛らしい妹が体一杯に成長を伝えてくるその様に癒しを感じ、自然と頬が緩む。そして抱き上げた拍子にマレウスの耳に彼女の小さな手を添えて、内緒話をするように話しかけてくる姿もいじらしく、ついつい笑みが溢れてしまう。
「ああ、リリアから聞いている。これからは城にいた頃と同じように僕と一緒に過ごそう、A。」
Aが耳元で話しかけて来たことに倣って、マレウスも抱いているAの耳元でそう言うと、息がかかってくすぐったいのか、Aはきゃっきゃっとはしゃぎだした。
「これこれ、目の前でイチャイチャするでない。見てるこっちが恥ずかしい」
呆れたリリアの背後から「若様！！A様！！」と大きな声を上げたセベクがこちらに向かってくる。セベクはその声とは裏腹にAを抱いたマレウスの前に綺麗な所作で片膝をつく。
「若様、お久しぶりでございます。若様と同じ寮になることができて、恐悦至極に存じます…！
そしてA様！御身がご無事で良かったです！！A様の身に何かあったらと考えたら夜も眠れず…」
「いや、式典は先程あったことじゃろう」
リリアの鋭いツッコミを物ともせず、セベクはAを見つめて瞳に喜びの涙を浮かべている。そんなセベクを見て、Aはセベクの頭をポンポンする。
「…セベク、あのね。うしろからぎゅってしてごめんなさい。セベクいたくない？」
リリアに先程こっぴどく怒られたため、Aはセベクにしっかり謝ろうと思ったのだ。
悪いことをしたら、謝罪のできる子であれ、と。歳を重ねれば重ねるほど謝れない者は多い。様々な感情が邪魔をしてしまう。しかし妖精族の末裔と周りから言われながらも、当たり前を当たり前にできる子であって欲しいとリリアは切に願っている。
Aに撫でられたセベクは目を見開き、その直後感激のあまり滝のような涙を流した。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
