充電 ページ48
今にも歌い出しそうなほど上機嫌なAと手を繋いで、いつもより暗い校舎を歩く。鏡舎に辿り着くとそこには既にAのお迎えがいた。
「お帰り、A」
「リリア！ただいま！」
ディアソムニア寮へと繋がる鏡の前で立っていたリリアに飛びついたAを軽々と抱きとめる。
「Aがいなくて寂しかったのぉ〜」
「リリアが？Aがいなくてさびしかった？」
しくしくと泣き真似をしだしたリリアを見て、トレイはそのあからさまな姿に顔を引きつらせる。しかしそんな演技を本気だと思ったAは、ごめんなさい、と呟くと精一杯背伸びをしてリリアにぎゅっと抱きつく。一頻り抱きしめ合うとどちらからともなく離れる二人。そんな絶妙なタイミングでトレイは声をかける。
「A、これ渡さなくていいのか？」
「あ！そうなの！…リリア！みんなでマロンタルトつくったのよ！」
「ちゃんとAが作ったんだ。ぜひディアソムニア寮の皆で食べてくれ」
「凄いではないか、Aや。これはマレウスの奴も呼んで盛大にパーティーじゃな。」
トレイからマロンタルトの箱を受け取ると、Aの頭をそっと撫でる。そしてトレイに向き直るとリリアは礼を述べた。
「ハーツラビュルの皆にも礼を言っておいてくれ。大変世話になったとな。Aに怪我もなく安心したわい。…これでも大層心配してたんじゃ」
「ははは…どうも」
トレイは随分と過保護に育てられているな、と乾いた笑いを漏らした。それじゃあ、とトレイは最後にAの頭を撫でると来た道を戻っていった。彼の姿が見えなくなるまで見送ったAとリリアは背後の鏡へと体を滑り込ませた。
談話室に着くと、珍しくマレウスとセベクとシルバーの三人が揃っていた。
「おにいさまー！！」
ソファに座ったマレウスの脚に抱きつくと、彼はふっと目を細めるとAの脇に手を差し込み自分の膝の上に妹を抱き上げた。朝、ベッドの上で微睡んでいた中で挨拶をしてから顔を合わせていなかったため、寂しさが溢れて止まらない。そんな寂しさを埋めるように兄の胸へ自分の額をぐりぐりとする。
「どうした？いつも以上に甘えただな。」
可愛い可愛い妹の甘えてくるその行動が愛おしくて、自分が力を加えたら壊れてしまいそうなほど小さくて狭い背中を優しくさする。しばらくぐりぐりして"お兄様充電タイム"が終わると、パッと顔をあげる。
「あのねあのね！きょう、マロンタルトをつくったのよ！」
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
