指先に賞賛と感謝を ページ45
デュース達がお使いから帰ってくるといよいよマロンタルトの仕上げをすることになった。土台は出来上がっているので、マロンペーストを盛り付けてマロングラッセを天辺に飾るのである。
「よし、俺がやったようにペーストで土台を飾っていこう。デュース、グリム、それにA。魔法でいけるか？」
トレイのお手本を見た二人と一匹は頷いて、その目線をマロンタルトになる土台に向ける。帰ってきてからかなり元気のないデュースを見て心配になったAは、彼の脚をポンポンと叩く。それに気づいたデュースはしゃがむとAにどうした？と声をかけた。
「デュース、げんきない？」
「……いや、そういうわけじゃ…」
そう言って笑って否定しようとするが、卵料理が好きな身としてはそれらを食べる度にヒヨコになれなかった卵達を自分は頂いている、という考えを持って今まで生きてきた。それなのに…とまた落ち込んでしまう。
さらに落ち込んでしまったデュースを見てAは、しゃがんでくれているデュースの手を取ると、手袋を勝手に脱ぎだした。そんな突拍子もない幼女の行動にデュースはびっくりするもされるがままだ。すると、あのね、と言いながら彼の手を小さくて温かな手で包みこむ。そのまま優しく引いて、Aの頬と彼の掌をくっつけて微笑む。
「こうするのって、デュースえらいね、ありがとーってことなの！」
そう言うと自分の頬から彼の手を離すと、デュースの手袋をしてない男の子らしい骨張った指先にAの赤くて小さな唇が触れる。
デュースは小さな唇が触れた指先が心臓になったような錯覚に襲われ、そこから熱が生まれて鼓動が早くなる。真っ赤になった顔と指先に蓋をするように、脱がされた手袋をいそいそとつける。
恥ずかしくなってしまった自分を取り繕うように咳払いする。だがデュースはAが自分を元気付けようとしてくれたことが素直に嬉しく、頬を緩めて破顔した。
「ありがとう、A」
ごく自然な動作でデュースはAの前髪をかきあげるとそこに現れた無垢な額に口付けた。そんな二人を見てるこっちが恥ずかしくなる光景に顔を真っ赤にするのは監督生である。
ユウの元の世界では他人にキスを贈ることはお互いが特別な関係であることが多い。そのため、他人同士がキスをすることに耐性がない。つまりシャイなのだ。
「デュースげんきでた？」
だが、姫としてはいただけない行動であるとリリアなら言うだろう。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
