滞在許可 ページ4
リリアは抱きあげていたAを抱え直して向き合うと、再度問う。
「…して、Aよ。お主ここまではどうやって来たんじゃ？」
「えっと、セベクのおうまさんといっしょにきたの！」
やや吊り目の緑を細めて笑顔でそう言うAに、ふむ。と考えこむリリア。そこでふと、元の役割を思い出し、一度可愛い娘についての処遇は保留として周りを見渡しマレウスの存在を探す。
「マレウスはどこじゃ。なに、また来ておらぬのか。」
「おにいさまいないの…？」
「そう落ち込むでない。大好きなお兄様は学園の中にはいるはずじゃ。」
悲しそうな表情を見せるAの頭を優しく撫でると、ディアソムニア寮の新入生たちを纏める。
「ヴァンルージュくん。その子供はまさかドラコニアくんの？」
「うむ。正真正銘、マレウスの妹じゃ。」
そのリリアの言葉に誰しもが動揺や戸惑いを示す。それもそのはずだ。マレウス・ドラコニアは本人の身分や持ち合わせた能力のため、学園内でも一目置かれている存在である。そんな彼の妹が学園内に迷い込んだともなれば誰もが口々に「"あの"ドラコニアの…」と言うのも致し方ない。
「そこで学園長。相談なのじゃが、Aをしばらくここに置いておくことはできないだろうか？」
面白いものを見つけた、とでも言わんばかりの悪い顔をしてるリリアに対して、口元を引きつらせた学園長はややヒステリー気味に答えた。
「そんなこと許されるはずがありませんよ！今年は狸に魔法が使えない新入生で手一杯です！」
そんな学園長を見つめるその紅い瞳をさらに細めて楽しそうに話を持ちかける。
「お主にとって悪い話でもなかろう？Aはまだ幼いとはいえ、マレウスとは血を分けた兄妹じゃ。実はこれから魔法の使い方について覚えるところでの。ここでしっかり学べば暴走することもないじゃろう？」
畳み掛けるようにリリアが学園長に述べると、グッと押し黙る学園長は少しの黙考の末、口を開いた。
「………分かりました。しかし、ドラコニア家へ話をつけるのはヴァンルージュくん、頼みましたよ。
それから、我が校では飛び級が認められているとは言え、正式に闇の鏡に選ばれたわけではありません。故に兄上のマレウス・ドラコニアくんが卒業するまでの期限つきで見学生としての滞在を認めましょう。私、大変優しいので。」
「…感謝するぞ。A、良い知らせじゃ」
そう言ったリリアの表情は悪魔的な笑顔を浮かべていた。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
