きゃっちこーるど ページ23
朝、マレウスの部屋で目を覚ましたAは、隣にいない兄を探そうとしてフラフラとベッドを出ようとしていた。頭が痛い、寒い、でも体は熱いから吐く息は熱を帯びていた。
うまく手足に力が入らず、大きな音をたててベッドから落っこちてしまう。
「うぅ……ぉにぃ、さまぁ…」
朝に似つかわしくない大きな音に気がつき異常を感じたシルバーが焦った様子でベッド脇に倒れ伏したAに駆け寄り、抱き起こす。
「A様？！…外傷はなし、体が熱いですね。…親父殿を呼んできます。ベッドに戻りましょう」
シルバーはテキパキとAの頭を触り、外傷の有無を確認し、体の熱さや顔色から恐らく風邪だと判断する。彼はAを抱き上げるとベッドに下ろそうとした。
「けほっ….しるばー、どっかいっちゃや……やだぁ…けほっけほっ…ぅうう〜…」
風邪を引いているからか、珍しく我が儘を言ってくるAを抱き上げて安心させるように背中を優しく叩いてあげる。
談話室に着くと朝から優雅にお茶を啜っているリリアがいた。シルバーと彼に抱かれているAに気づいたリリアは手に持ったカップとソーサーをテーブルに置く。
「いったいどうしたんじゃ。」
「親父殿、おはようございます。A様の体調が優れないようで、どうされますか。ここには侍医もおりませんし…」
「きっと慣れない環境に疲れが出たんじゃろう。今日一日はお休みじゃな」
「看病はどうされますか。」
ふむ、と考え込むリリアはもう一度茶器を取り上げ一口啜るとソーサーにカップを乗せた。
「交代で看病じゃな。みな授業があるが、ここに来て日が浅いAも一人にされたら寂しかろう」
「承知致しました。セベクにも伝えておきます。」
「助かる。マレウスにはわしから伝えておこう。では、午前中はシルバーとセベクに任せよう。わしはその間に先生方に取り合っておくかの。」
かしこまりました、と礼をするとボーッとやや焦点の定まっていないAとリリアの視線がかち合う。
「Aや、今日は一日お休みじゃ。体、辛かろう？今日はしっかり休んで明日には元気で愛いいつものAの姿を見せておくれ」
「……りりあ」
熱に浮かされたAを撫でると、そのひんやりした手が気持ち良いのかAは無意識にその手に頬を擦り付ける。
眠そうに辛そうに顔を歪めたAを二人は心配そうに見つめた。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
