日課のキャンディ ページ14
先程の授業で完成した魔法薬をクルーウェルに提出するため、彼の元を訪れたマレウスとA。本来であればペアで提出しに行かなければならないところであるが、終業のベルと共にレオナがどこかへ行ってしまったので、兄妹で準備室の扉を開く。
「せんせー！」
可愛らしい靴音を立ててクルーウェルの元に走っていくAを彼は主人に構って欲しい犬を扱うかのように頭を撫でる。
「約束のご褒美をやろう。お利口に"待て"ができるな？」
茨の谷の城にいたどの人達ともまったく違う話し口調のクルーウェルの言いたいことがいまいち掴めないAは、首を傾げる。そんな姿に薄く笑いながらも背後の棚から目当ての紙袋を取り出してAに手渡す。
「なんだろう…？せんせー、あけてもいい？」
「ちゃんと飼い主に許可が取れる出来た仔犬だ。…良い子だ、開けていいぞ」
カサカサと紙袋を開くと出てきたのは色とりどりのつやつやとしたキャンディだった。
「わあぁ！キャンディだ！」
「1日1個まで、おやつに食べるといい」
「はーい！えへへ…たのしみ」
飴が入った紙袋を大事そうに抱えるAをクルーウェルは見やってから、マレウスに向き直る。
「この娘から目を離さず、1日1個ずつちゃんと食べさせろ。この意味が分かるな？」
マレウスは静かに頷いて、Aの手を取ると準備室を後にした。退室する際に元気な声でさようなら！と挨拶するのも忘れていない。そんな陽気な声に準備室で一人、笑いを溢したのは彼のみぞ知る。
準備室を出ると、昼休みということもあり廊下は生徒達で賑わっていた。そんな賑わいもマレウスとAが通ることによって別のざわめきに変わってしまうのだが、マレウスはそんなことはいつものことであると、気にも止めず食堂を目指して歩く。
食堂に着くと廊下よりも人が多く、忙しなく行き来している。そんな人の流れを興味津々で見つめていると、マレウスが口を開く。
「A、僕は一度寮に戻るが、じきにリリア達がここに来る。少しだけここで待っていてくれるか？」
「はい、おにいさま！Aまてるわ！」
その返事を聞いて、満足そうに微笑むとマレウスは姿を消してしまった。兄を見送ると抱えた紙袋を見つめて、今日の授業を思い出しては鼻歌を歌い出しそうなほど浮かれた気分になるA。そんなところに大きな声が響き渡る。
「あーーーー！！！！オマエ！オレ様のことをネコ呼ばわりした奴なんだゾ！」
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
