プロローグ ページ1
ツイステッドワンダーランド。捻れた摩訶不思議な世界。そんな世界の、ある国___茨の谷の豪奢な城では、1人の女の子の泣き声が響いていた。
「姫様！！！このセベク、休暇には必ず戻ります故、泣き止んでください！！！！！」
そう言い放った身長の大きい男__セベク__は、緑の瞳から涙を溢し泣き喚く少女の両手を握って目線を合わせるように前で片膝をついている。
「セベクも行っちゃうなんてやだぁ！」
偉大な次期王の直系の末妹として、蝶よ花よと育てられたAはまだまだ他人に甘えたい盛りなのである。そして最近は兄のマレウスやそのお目付役のリリア、そして遊び相手をしてくれていたシルバーも学業に忙しくほとんど会えないでいた。そんな折に最後の砦であったセベクまでもが学校に行ってしまうと来た。寂しさで涙が止まらないのも無理はない。
「若様をお守りするためにも！このセベク、ナイトレイブンカレッジに行かなければならないのです！…A様、またすぐに若様やリリア様と共に帰ると約束いたしましょう！！」
その言葉を随分と歳の離れた兄とお揃いの尖った耳で拾うと涙がピタリと止まり、俯いていた顔をやっと目の前のセベクに向ける。
「…ほんとう？おにーさまとリリアとシルバーとすぐ帰ってくる？？」
これは好機だと、セベクはAの目を捉えしっかりと頷く。
「はい、必ずや。また若様やリリア様、それにシルバーと一緒にお茶をしましょう。」
「……ぜったい！ぜったいだよ！すぐにかえってきてね」
聞き分けよくセベクの手を離し、別れのハグをする。するとどこからか蹄の音が近づいてくる。ナイトレイヴンカレッジからの迎えだ。セベクの目の前で止まったその黒き馬車に乗り込もうとした時だった。
「姫様っ！！！いけません！」
その声は誰のものであったか。馬車に乗り込もうとしたセベクの背後に、Aが抱きついたのである。完全に引き下がってくれたと気を抜いていたところへの襲撃に、セベクは暗い馬車の中へ前のめりに倒れ込んだ。周りの使用人たちのどよめきなど物ともせず、馬車はセベクが乗り込んだことを認め、あろうことかAを乗せたまま扉を閉めナイトレイブンカレッジに向けて走り出してしまった。
通常、闇の鏡に選ばれた者にしか迎えは来ないもの。しかし、強行ながらも馬車への乗車が認められたA。これも闇の鏡の導きか。それとも_____。
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礼(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。自己満足の域を出ない私の文章に対してそんな風に言っていただけて嬉しいです。早いもので続編に行きましたので、今後もお暇な時のお供にしていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 15時) (
レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 失礼...ごほん...主様語彙力たっかっっっ？！ディアソムニアの小説少ない中でこんな神作あるの幸運過ぎやしませんかァァっっ？！？！幼女ちゃん可愛い！めっちゃ可愛いっっ！読んでてほわほわするし神作って断言できますっっ私が保証しますっっ (2020年5月23日 4時) (レス) id: d92bf3fc5b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます。ディアソムニア素敵ですよね。カードが未実装キャラもいるので中々小説見かけませんよね（ ; ; ）嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張りますので今後もよろしくお願いいたします。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 雪猫と葛さん» コメントありがとうございます！主人公ちゃんのことを愛してくれて嬉しい限りです(^-^)今後も少しずつ更新するので読んでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月20日 21時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ディアソムニア良い…！！！ディアソムニアってまだ本編更新されてないせいか、小説少ないですよね、、、。この小説あって良かった…！！夢主ちゃん可愛いし…！！更新頑張ってください！！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: a926bdc47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼 | 作成日時：2020年4月26日 7時
