お友達 ページ34
そして二人は天上天下唯我独尊を体現した男__五条悟__にここまでさせる、やけに庇護欲をそそる少女が何者なのか気になってしょうがなかった。そんなことを考えているとは思っていないAは、こちらを見る二人とぱちりと目が合うと、微笑んでから綺麗な所作で会釈をした。彼女がふんわりと微笑むと、初めて会ったというのに事情も全く知らない二人はどきりと胸が鳴る音を聞いた。
「悟くんのお友達…?」
「あ〜…クラスメイト」
「クラスメイト!素敵!」
小首を傾げたAに満更でもないような様子で頭をガシガシかきながらそう答えると、彼女は瞳をキラキラと輝かせた。
"悟くんのお友達だからキチンとご挨拶しなきゃ。"
そう考えたAはベッドに腰掛けたままではあるが姿勢をしゃんとさせると外行きの笑顔を使った。
「座ったままで失礼致します。土御門Aと申します。五条様の、んぅ?!」
「あー!あー!あー!!ストップ!」
悟の大きな手で小さな唇が、これ以上喋って同級生二人に余計な情報を与えてしまわないように塞がれる。びっくりしすぎてその目をぱちぱちと閉じたり開いたりを繰り返した。
「うわぁ…お前、この子に"五条様"って呼ばせてんのかよ。やっぱクソだわ」
「さすがに悟…私もそれはどうかと思うな」
そう言いながらも同級生二人は、最強の男をからかう絶好のチャンスだと笑った。
「お前ら覚えとけよ」
「………?」
何か自分は悪いことをしてしまったのかと不安そうに悟を見上げると、青くて綺麗な瞳と視線が交差すると、ようやく口元から離れた温もりが髪を撫でた。気持ちよくて不安が柔らぐからAはこれが大好きだった。
「A、俺のことはいつも通りに呼んで。もう"五条様"は禁止。」
「…悟くんのお友達だけどいいの?」
「気にすんな。とりあえずわかった?」
「……うん、悟くんがそう言うなら」
そんな二人の会話でさえも残された二人は、ないわ、だの横暴、だの悟に言いたい放題だった。
「そういえば自己紹介まだだったね。家入硝子。Aって呼んでいい?」
「私は夏油傑。悟と硝子とはクラスメイトなんだ。よろしくね」
「わ、私は土御門Aでしゅ、はわ、わ、えと、いえいり様とげとー様ですねっ?」
「Aお前、さっきも名乗ってただろ」
「何この可愛い生き物」
「げとう様なんて恐れ多いな。いいよ、傑で」
Aは悟以外の同年代との関わり合いにどうしていいか分からなかったのだ。
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みるたそ - 礼さん» 早速リクエストさせていただきます!病院の窓から見える世界はきっと夢主の知らない物ばかりなので、あれは何?あれは?と五条さんに聞く夢主と、それを優しく答えてあげて甘やかす五条さんのお話を見てみたいです! (2021年3月7日 14時) (レス) id: 2548faf38b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - みるたそさん» ご覧になったんですね〜ありがとうございます。はい!お気軽にどうぞ(^^) (2021年3月6日 23時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
みるたそ - お知らせ見ましたー!リクエスト可能ということですかね(><) (2021年3月6日 18時) (レス) id: 2548faf38b (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - みるたそさん» コメントありがとうございます。主人公のことを愛らしいと言ってくれてありがとうございます( ; ; )人を選ぶ主人公ではありますが、そう言って頂けることが励みになります。重ねて感謝です! (2021年3月6日 0時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 瑠璃さん» お返事遅れて申し訳ないです。コメントありがとうございます!私好みの女の子とわちゃわちゃする五条さんが見たくて書き始めたのでそう言っていただけて感無量です。二人の今後を見守ってくださると嬉しいです(>_<) (2021年3月5日 23時) (レス) id: ede101bd3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:礼 | 作成日時:2021年2月1日 0時